コラムコラム-佐渡島啓弁護士

朝日新聞2012年5月21日夕刊掲載「働く人の法律相談」-有給休暇 新入社員も取れるの?-(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

6ヶ月間で8割「継続勤務」が必要

今年の大型連休は曜日の並びが良く、年次有給休暇を取って9連休を満喫した人も多かったと思います。ところで、新入社員は年休を取れるのでしょうか。

労働基準法では、6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤して初めて年休が10日与えられます。ただし、就業規則などで労働者に有利な取り決めがあれば、そちらを優先します。

継続勤務したかどうかは、雇用契約の形式ではなく、実体的に判断されます。年休の趣旨は、労働者の心身の疲れを回復させ、引き続き質の高い仕事ができるようにさせるためだからです。

例えば、雇用期間は1年であっても、何度も契約を更新している場合、その期間は全て継続して勤務していたことになります。

ある競馬場の労働者は、有期雇用でしたが、開催日に合わせて雇用契約を結んでいました。その勤務期間について、次のように判断された裁判例があります。

その人は主な競馬場でレースがない7~8月に勤務がありませんでした。雇い主側は1カ月以上も勤務がないため、雇用関係は断絶していると主張。しかし、その期間も他の競馬場ではレースがあり、雇われる可能性がありました。また勤務日程によっては、その人よりも年間の勤務日数が少ない人でも「継続勤務」とされた場合があり、不公平になることなどから、実質的に勤務は継続していたとされました。

2010年の労基法改正で、労使協定によって5日分までは時間単位で年休を取れるようになりました。疲労回復や生活とのバランスのためにも、労働者の権利である年休を有効に活用したいものです。

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