【コラム】希望が持てる社会に(弁護士 梶山敏雄)

事件は世相を映すと言います。人が一生で一度あるかどうかという出来事を常に扱う弁護士でも、昨今発生する事件を見ると、昔では到底考えることもできなかった事件が起こっています。

海外からSNSを駆使して犯罪を指示する、白昼堂々と目撃者多数の面前で強盗事件、これほど報道されているにも拘わらず次々と闇バイトにかかわる、「何で自分だけが」と己が人生に絶望して無差別に他人を殺傷する。
そしてその実行犯には若者が多い。そうした原因には現在の日本の若者が置かれた貧困・格差・差別、頑張れば未来がという、昔の「若者たち」の歌詞の「君の行く道は希望へと続く」という、生きる事への期待が持てないなどの根本問題が潜んでいることは間違いないでしょう。

そのような根源的な問題の解決のためにこそ政治の力が使われなくてはならないのに・・・・。
自分の子供を世襲のために秘書官に起用し、官邸で親族の忘年会を平然と行う政治家にはそうしたことを求めることが無理なのかもしれません。

難民の生命をより窮地に追い込む法案、あの惨禍を忘れた原発再稼働を堂々と認める法案、わざわざ問題が発生すること必至のマイナ保険証を強行する法案、そして極めつけは膨大な額に昇る軍事拡大予算を強行しての国会閉会。
次々と国民の生活無視の法律が数多く成立しましたが、マイナ保険証などはそれを利用した犯罪が発生すること必至ということで返納運動が起きているようです。
未だ未だ抵抗するエネルギーと方法が国民に残っていると思います。

弁護士 梶山 敏雄

(事務所ニュース・2023年夏号掲載)

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