【コラム】離婚事件(弁護士南木 ゆう)

弁護士になって様々な事件に携わらせて頂いていますが、私が女性だということもあり、女性側からの離婚事件をご依頼頂くことが多いです。

社会に目を向けると、教育の場面で、入学試験に男女の合格点の差が設けられていたり、婚姻においては、夫婦同姓を強制している日本の法制度の問題、育児においては、母親に偏重する日本の育児習慣や育休制度の男女差別の問題など、社会のあらゆる局面で放置され続けてきた男女不平等の問題が山積しています。
今は、結婚後も仕事を続ける女性がほとんどですが、出産を機に退職をする、あるいは子育てのために時短勤務にしたり、負担の軽い仕事に転職するという女性は少なくありません。このような場合、女性側は簡単に離婚を決断することができません。自身に経済力がないことから、配偶者から酷い扱いを受けたとしても耐え続けるしかないと思ってしまうのです。

彼女たちは、毎日家族のために必死に家庭内で働いています。しかし、そんなことは当然だと言わんばかりの夫の態度。このような人に、いざ離婚を突きつけると「寝耳に水だ。」とか「家事をろくにやっていなかったくせに。」等と言ってきたりします。
離婚事件が解決したときに、最初思い詰めて相談にいらしたときと見違えるような晴れやかな表情をしている彼女たちの顔を見ると、私も何より励みになります。今後も微力ながら、家庭内の不平等で苦しんでいる女性が少しでも救われるように積極的に離婚事件に取り組んで参ります。

弁護士 南木ゆう

(事務所ニュース・2021年夏号掲載)

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