コロナ自粛下からみえた子育て世代の問題(弁護士 南木 ゆう)

新型コロナウイルスの感染拡大で、様々な社会活動に影響が出ていますが、働きながら子育てをしている世代は、何より保育園、幼稚園、小学校が自粛となったことが大変だったと思います。徐々にですが再開し始めて、一息つかれているご家庭も多いと思います。お疲れさまでした。私も夫と1日交代で勤務と子守を行っており、短い時間の中で普段と同じパフォーマンスを発揮するためにご褒美お菓子制度を導入し、かつ、1日おきのステイホームでエネルギー消費を最小限に抑えていましたので、人間として一回り大きくなれた気がしています。

この間法律相談では、解雇や退職勧奨、給料不払いの問題が多数寄せられていました。特に、子育て中の時短勤務ママさんたちが、真っ先にクビを切られそうになっているという相談が多く、胸が痛みました。少子化もそうですが、現在共働きの家庭が増えています。企業としても、子育てと両立しやすい環境を整え、子育て世代こそ大事にしていかなければ、今後いい人材が確保できなくなってしまうという現状をもっと理解する必要があります。むしろ、リモートワーク等によって、子育て世代にも活躍できる場が広がったという側面もあり、コロナ下の対応には企業の未来がかかっているといっても良いと思います。業績が悪化したら、弱い立場の人を安易に切り捨てるというのではなく、それぞれの職種にあった新しい働き方を知恵をしぼって考える必要があります。バリバリ働くママ友さんたちからは、「意外に家でもできたね。」という感想をたくさん聞きます。ITに疎い上司には、むしろ「こんな働き方ができるよ!」ということをどんどん提案していくのも良いかもしれません。

弁護士 南木 ゆう

(事務所ニュース・2020夏号掲載)

 

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