映画と書籍の紹介と(弁護士 伊須 慎一郎)

弁護士 伊須 慎一郎

1 「ロレンツォのオイル」-意志こそすべて

 事務所ニュースに固いことばかり書くので、伊須の原稿はつまらないという評判です。そこで、妻が見つけてきた「ロレンツォのオイル」という映画を紹介します。1人息子が難病を患い、医者もお手上げのなか、医療の素人である銀行員夫婦が、図書館で必死に勉強をして、医者と議論し、治療法を見つけるという実話をもとにしたものです。素人の両親がコミュニケーションが取れなくなった息子を「暗闇」から助け出すために、治療法を探し出す過程は、決してあきらめない意志にまさるものはないと胸が熱くなります。おすすめです。

2 「時の行路」-不法に屈しない

 以前、事務所ニュースで、不当な派遣切りとたたかうGさんのことを書きました。Gさんが主人公の「時の行路」(田島一さん著)という本が新日本出版社から発行されました。「おれたちは都合のいい消耗品じゃない。泣き寝入りはしないぞ、組合をつくってたたかうんだ」「これから歩もうとしている道も、決して望んで進んできたものでなかった。しかし、人は自らの生きる時代を選ぶことはできない。いまという時に遭遇した行路を困難があっても、避けずに真っすぐ歩いていくしかないだろう。」

 いすゞ自動車のたたかいは、2012年、東京地裁で判決を迎えます。

 被災者が苦しんでいる中で、憲法を変えたい勢力が憲法審査会を始動させ、戦争は二度とごめんのはずの日本が武器輸出3原則を緩め、閉そく感を打ち破るためと強い者が利益を上げる仕組みのTPPに突入し、国民が貧困化するなか派遣法はたなざらしで、公務員バッシング・公務の民営化で国民の目をくらませ、物言わぬ国民を作り上げる教育現場への政治介入など、私たちの生きる時代の行路には次々と難題がやってきます。不法に屈せず、強い意志をもって、また新しい1年のたたかいが始まります。  

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