昨年はコロナ禍のために、全国的な弁護士の会議などは軒並みウェブ会議システムを利用して行われていましたが、その中でも過労死弁護団の全国総会は昨年10月2日・3日に、さいたま新都心でリアル開催しました。
過労死弁護団の総会は33回目、埼玉での開催は初めてでした。しかも例年とは異なり会場での感染対策や、運用開始直後のGoToトラベルの対応も必要となるといったこともありましたが、鈴木(弁)、深井(事)と共に苦労して準備した甲斐あり、当日は全国から約60名の弁護士が集まり、各地でのリモート視聴者も約30名加わって、有意義な討論などを行いました。
脳・心臓疾患や精神障害の労災申請数は右肩上がりで毎年増加していますが、労災として認定される割合はこの5年間でいずれも5%程度減少してしまっていますし、労基署の担当官の数が少ないことも要因で、結論が出るまでに長期間かかっているケースもあります。医療関係者などエッセンシャルワーカーの方々が過重労働を余儀なくされている状況が続いており、これを原因とする労災申請も今後増えると思われます。
労働災害が発生しない世の中であるに越したことはなく、そのための活動として昨年11月に大宮で行われた過労死等防止対策シンポジウムの開催にも加わりましたが(こちらもリアル開催)、被災者が出てしまった場合の救済にもさらに尽力したいと思います。
弁護士 佐渡島 啓
(事務所ニュース・2021新年号掲載)