中村哲さん(弁護士 伊須慎一郎)

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一昨日、浦和民商の第70回定期総会に参加した。
記念講演は長年中村哲さんを取材してきたカメラマン谷津(やつ)賢二さん

中村さんは、病院に来れない人のために巡回診療キャラバンに出かけ、
ある村で、100人の患者を無償で診療した。
村人の御礼は一杯のお茶だった。
中村さんは現地の言葉でおいしいと言い、
村人は、うれしそうに、その様子を見ている。
谷津さんは、カメラには映らない中村さんと村人の信頼関係を
レンズ越しではなく、自分の眼に焼き付けた。

あるとき、中村さんは、大雨で用水路が氾濫することを防ぐために、
ユンボを川に入れて、用水路の一部を壊し、濁流を他に流した。
そのとき、止めるスタッフに対し、
中村さんは、アフガニスタンの人のためなら死ねると静かに話した。
中村さんは、正しく勇敢(蛮勇ではない)だ、
アフガニスタンの人々に伝わった。
アフガニスタンの人々は先祖代々から承継した大事な土地を売ったりしない。
しかし、アフガニスタンの人々は、中村さんのことを信じ、
用水路を作るために無償で土地を提供した。

身長158cmの巨人、中村哲さんは2019年12月4日、凶弾に倒れた。

中村さんの座右の銘は、天台宗の開祖最澄の「一隅を照らす」
用水路は広大なアフガニスタンの砂漠を小麦が育つ一面の緑にした。

弁護士 伊須 慎一郎

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