広がる「終活」(弁護士 谷川 生子)

私はわりと引越の経験が多いほうです。弁護士になってからは、4回引越しました。引っ越すたびに、窓から見える風景、通勤経路も変わり、自然と気持ちが改まりました。新しい部屋の周辺をぶらぶらしながら、面白そうなお店や、綺麗な公園を発見するのは楽しいもので、引越は嫌いではなかったのです。でもそれは、昨年までのことでした。昨年の引越で大量の物を目の前に、初めて途方に暮れました。比較的長く住んでいたのですが、この部屋のどこにこれほど沢山の物が?結局多くを廃棄処分し、地球に厳しい自分の存在を認めざるを得ませんでした。

引越ではないですが、遺された人にこのような思いをさせたくない、あるいは周りに頼める人がいない、という方から、自分の死後、必要となる片付けや諸々の手続を第三者に頼んでおきたい、という相談を受けることがあります。単身世帯が増え、また少子高齢化の進む中、死後事務委任契約の需要は増えているようです。私より若い方からそのような相談を受けることもあり、「終活」はすっかり浸透しているなと感じます。

引越は大変でしたが何とか落ち着き、気持も新たに、今年もよろしくお願いします。

弁護士 谷川 生子

 

(事務所ニュース・2020新年号掲載)

 

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