コラムコラム-宮澤洋夫弁護士

福島原発事故について(弁護士 宮澤 洋夫)

弁護士 宮澤 洋夫

 東日本震災取り分け福島第一原発事故は本年最大の出来事であった。M9の地震と津波によるもので福島第一原発の事故を引起した。死亡者15840名、行方不明者3546名(警察庁12月13日調査)に上っており、地域に住宅・施設その他多大な損害を与えている。被害は地域、住民により、自衛隊その他の国民的支援を受けて対処されてきた。

 福島原発設置に反対する住民訴訟は昭和39年11月に福島地裁に提訴したが、裁判所はその安全性については審理することなく、行政庁の監理に委ねられその責任とし、住民の訴えを斥け、上級審も同様であった。

 我が国は広島、長崎の原爆投下により住民等多大の被害を受けたが、平和利用の名の下に安全性の審査を受けて商業発電を許可され、産業のエネルギー源として全国的に原子力発電所が建設・運転されてきた。然し乍ら、原子力の安全性について研究開発を怠った無責任の付を施設周辺の住民が負担される結果となったものである。

 福島県が要求している被害原発等すべての解体撤去には半世紀を要し、原発関連の核燃料再処理施設の廃止、再処理による生成された使用済燃料のプルトニューム使用による高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉等関連施設の廃止、さらには核廃棄物の地中保管、投棄等の処理処分を始め、福島原発事故後提起されている浜岡原発等の廃炉解体処分等引続き対処することが緊急課題となっている。

 当然のこと乍ら今般の原発事故に基づく住民の受けた全損害は速やかに賠償されるべきものである。今年の課題は山積している。

以上

このページを印刷