5月、鳥取県江府町の江尾診療所で武地幹夫医師のお話をうかがった。診療所に赴任し中山間地域の医療に身を投じて30年。「地域住民の命と健康を本当の意味で守る。そのためには、保健、医療、福祉をつなげ、人間を、地域を、丸ごとみることが大切」。11月、被災地の奥能登へ。自らも被災しながら理想を掲げ献身的に地域住民を支える小浦友行医師のお話をうかがった。「医療を志す原点は、輪島にある地域の絆や文化。この地に恩返ししたいから戻ってきた。人生のテーマは故郷の街・地域医療・ケアの復興。」
自分のとても身近なところでも。京大山岳部で大事な時を共に過ごした仲間たちの取組。埼玉県羽生市の「雨読晴耕村舎」。田畑を耕し農産物を加工し「農ある暮らし」を実践。講座を開き、自然との共生や地域活性化に取り組んでいる。新潟県妙高市の「妙高診療所」。大学卒業後、過疎地で奮闘する老医師の姿に感銘を受け、医療の道へ。武地医師のように中山間部の住民の命を支えている。中央アルプスの麓、長野県駒ヶ根市の「みちくさファーム清水」。JICAを退職し、昨年、移住。地域の人に支えられ、循環型農業を目指し、養鶏・野菜・米作りをしている。
みちくさファーム清水の新米を長野の福田弁護士に送った。新米の力に感動した福田さんは、清水に心のこもった手紙を届け、私のところにまで野菜や桃やりんごをいっぱい届けてくれた。りんごはアップルパイとなって私の息子の笑顔となった。
こうしてみなが地域に根を張り、共に生きる力を磨いていけば、人間を苦しめる政治や、不幸を生み出す社会構造をきっと変えられる。そういう希望と勇気がわいてくる。
(事務所ニュース・2026年新春号掲載)
<今年の目標> 山に登り、一歩一歩初心忘れず

