【ポイント】
❶ 認証アプリのデータ引継ぎが終わるまで、新旧スマホ両方とも手元に置いておく
(引継ぎに先立って古いスマホを下取りなどに出してはいけない)
❷ 時間に余裕のあるときにデータ引継ぎを行う
(決して期日の直前にやってはいけない)
※以下、iPhoneの方向けの記事になります。
【はじめに】
5年ぶりくらいにスマホの機種変更をしました。スマホの機種変更をするにあたり、Teamsの二段階認証アプリ(Microsoft Authenticator、以下「認証アプリ」とする。)の引継ぎに難儀しました。半日ほど時間を費やして何とか引継ぎはできたものの、所内の先輩弁護士を含め、うまく引継ぎができずに被害者多数の模様です。引継ぎができないと、Teamsにログインができないため、ウェブ期日には当然参加できません。「期日の時間になってログインができず、泣く泣く電話会議に切り替えた…」、「ウェブ期日を数十件抱えていたが、全部登録し直しになった…」などの声を聞いております。
以下、比較的スムーズに引継ぎができた私の経験談として、メモ書きを残しておこうと思います。
以下、Microsoft Authenticatorは「認証アプリ」とします。
【通常のログイン方法】
私の場合だと、PCでTeamsを起動したら、
①サインインを押す→②登録済みのメールアドレス宛にワンタイムパスコードが送信される→③メールで送信されたパスコードをPCに入力する→④認証アプリに入力するパスコード(2桁の数字)がPCに表示される→⑤スマートフォンの認証アプリを起動する→⑥認証画面にパスコードを入力→認証完了!!
となり、ウェブ期日用のTeamsアカウントが使用できるようになります。
【なぜ、新旧のスマホを手元に置いておかなければいけないのか】
スマートフォンを買い替えると、今まで使っていたスマホ(以下、「旧スマホ」とします)と、これから使いたいスマホ(以下、「新スマホ」とします)が存在することになります。普段であれば、みなさん、適宜バックアップを取るなどして、旧スマホ⇒新スマホへのデータ引継ぎをされると思います。しかし、Teamsの認証アプリの情報は、バックアップ等では当然に引き継ぐことはできず、サインイン情報を引き継ぐには所定のステップを踏む必要があり、そのためにはPCブラウザからTeamsにいったんログインをする必要があります。
単にバックアップで旧スマホ⇒新スマホへのデータを引き継いだ状態でTeamsへのサインインを試みると、上記⑤の通知が旧スマホのアプリのみに行ってしまいます。新スマホへ通知は行かないのです。このときに、旧スマホが手元にないと、通知が空振りになってしまい、PCでのTeamsのサインインができません。サインインができないため、引継ぎの作業も出来なければウェブ期日にも参加できない、ということになってしまうのです。
なので、下取りなどに出す前に、旧スマホを手元に置いて認証アプリの引継ぎをする必要があるのです。
【機種変更時の処理手順】
以下の文頭に、PCブラウザ画面の話題は「●」を、旧スマホの場合は「▲」を、新スマホの場合は「■」を付します。
以下1~5のステップを踏んで、アカウントの引継ぎを行います。
1 新スマホに認証アプリのダウンロード
■旧スマホのデータをパックアップし、それを新スマホにダウンロードするなど、適宜の方法で新スマホに認証アプリを入れます。
■新スマホで認証アプリを開くと、丸字の!とともに「!操作が必要」と表示されます。下記画像だと、三段目に表示されている「最高裁判所」でサインインを試みます。
2 Microsoftアカウントページにサインイン
●目線をPCに移しまして、PCブラウザのTeamsからQRコードの作成を試みます。▲この時に、旧スマホを手元において、いつも通りの二段階認証ステップ(上記①から⑥)を踏んで、サインインをしましょう。二段階認証の通知は旧スマホにのみ来るので、旧スマホは、決して下取りに出さないように!
●無事にPCでTeamsのサインインができたら、Microsoftアカウントページにアクセスします。アカウントページに移るためには、Teamsブラウザの右上にある丸いアカウントをクリックして、「アカウントを表示」をクリックします。すると、別ウィンドウでアカウントページのサインインをすることになります。
アカウントページのサインインは、Teamsのときと同じく、上記①から⑥の二段階認証を経る方法になります。
★注)この段階で「組織」の「ドメイン名」の入力を求められる人は、いったんスマホに目を戻して、認証アプリの「最高裁判所」欄に記載のある@より右の文字列を入力するといいでしょう。
※この欄に書いてある@より右にある文字をブラウザに入力
3 引継ぎQRコードの作成
●右上にある組織アイコンをクリックして、その中から組織「最高裁判所」を選択し、組織「最高裁判所」へサインインします。
この段階でも、「最高裁判所」のドメイン名の入力を求められたら、上記★注)の対応を試みましょう。
サインインができたら、左バーの「セキュリティ情報」をクリックし、「サインイン方法を追加」をクリックします。サインイン方法は、Microsoft Authenticator(認証アプリ)を選択しましょう。
■認証アプリが新スマホにダウンロードされていない方はダウンロードをしていただきます。
●PC画面に従って、「次へ」を押していくと、引継ぎのQRコードが作成され、PCに表示されます。
4 新スマホの認証アプリでQRコードを読み取る⇒引継ぎ完了!
■目線を新スマホの認証アプリの方に移してもらって、「最高裁判所」をタッチすると、「!操作が必要」と赤字で表示されますので、そこをタッチすると、スマホのカメラが起動します。
●これで、PCブラウザに表示されている引継ぎQRコードを読み取ります。
■読み取りが完了すると、無事にアカウントの引継ぎができ、新スマホからも「!操作が必要」が消えます。
これにて、無事に引継ぎ完了です!新しいスマホからも問題なくTeamsにサインインできるようになりました。
5 まとめ
スマホの端末を2台用意して、PCも準備して、あれこれ画面が切り替わって、何回も二段階認証のサインインを強いられるなどするため、スムーズにいっても結構な時間が食われます。入念に準備のうえ取り組むようにし、期日の直前などに決してやらないようにしましょう。
【おわりに】
以上のとおり、結構不便で面倒くさいアカウントの引継ぎですが、これ以上被害者が出ないためにも、当局には「アカウントの引継ぎが必要なこと」くらいは周知してもらいたいものです。
本記事が、スマホを買い替えてしまって困っている、ウェブ期日直前に大慌てしている弁護士の手助けになれば幸いです。
古いスマホを下取りに出してしまったよ…という先生のための記事は、気が向いたら書きたいと思います。