【コラム】シン・パキラ(弁護士 竹内和正)

葉の茂っていたパキラに対し、毎日過剰に水をあげ続けた結果、木の棒の状態にしてしまい、それでもなお、復活を信じて水をあげ続けた結果、棒のみならず土まで腐らせてしまった苦い経験から1年。自分にはパキラを育てる資格などないのではないか、あのパキラにどう顔向けすればいいのかと思い悩む日々を越え、再度、事務所でパキラを育て始めました。
ノイローゼのように毎日葉が落ちた木の棒に水をかけ続けていた僕を見ていたせいか、事務所の皆さんは、僕がまたパキラを育て始めてもなにも声をかけてきません。ただ、お花屋さんの指導のとおり、10日に1度程度、水をあげるためにパキラを持って事務所内を移動する僕に対し、「また水をあげてるよ・・・」と冷ややかな視線を向けるだけです。またどうせすぐに水を毎日あげ続けるようになり、腐らせると思っているのでしょう。許せない。

これはもう結果で見返すしかありません。僕は、このパキラを大木となるまで立派に育てあげてみせると決意しています。そして、実際にパキラは期待に応え、ぎゅっと握られたこぶしのような状態で現れる新葉は、手のひらが開かれていくようにどんどん葉を広げ、ぐんぐん背丈を伸ばしていっています。パキラがどの程度大きくなるかは知りませんが、大木となり事務所に迷惑をかける日も遠くなさそうです。

ただ・・・ちょっと短期間で大きくなりすぎではないか、この鉢の大きさでは不十分ではないか、植え替えの必要があるのではないか、購入時におすすめされて一緒に買った植物活力剤「メネデール」はいつ投与するべきか。
ネットで調べればすぐにわかることかもしれません。しかし、自分で考えることなくすぐに調べてしまっては本当の学びとはならない(そんなの全然つまんない)という信念のもと、「あえて調べない」スタイルでお送りしているため、悩みはつきません。

弁護士 竹内 和正
(事務所ニュース・2024年夏号掲載)

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