【コラム】法「教育」に還る(弁護士 髙木太郎)

父は、18年間小学校の教員をしていました。私が小学校4年の夏休み、旅行だというのでついていったら、阿蘇で行われた教研集会でした。そこで「青い空は」や「がんばろう」をおぼえました。毎晩遅くまで学級通信を作ったりしていて「えらいなあ」とは思いましたが、教員になろうとは思いませんでした。

ソ連の崩壊や中国の現状を見て、マルクスは正しいなあ、と改めて実感しています。市民革命を経た資本主義経済の土台の上で、民主主義(や人権)を十分学んで実践して初めて未来社会へ到達することができるのだと思います。ロシア帝国→ソ連は、封建制からいきなり社会主義が実現できるか、というレーニンの壮大な実験でした。しかし、本人が早くなくなり、群がった権力好きな者達により「絶対王(党)政」に逆戻り。崩壊してもいびつな資本主義です。中国も又然りでしょう。他方、欧米では、アメリカの99%運動、北欧のグレタさんら若者の活躍。本来の道筋が少しずつ進んでいます。
若者の投票率の低い日本との差異は、学校にあると思います。自民党政権は、学校現場で政治の話をすることを禁じてきました。これが議論一般の躊躇につながり、日本の若者は議論下手です。これでは、選挙への関心はもちろん、グローバルな人材は育たないでしょう。

弁護士会会長の任期も後3ヶ月となりました。弁護士会の取組の中に法教育があります。自分の頭で考え、判断できる子供を育てることは、すべての親の願いであり、社会の願いでもあるはずです。民主主義と人権を大切にする弁護士会としてしっかり取り組みます。

弁護士 髙木 太郎

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