「労働問題・労働条件に関する啓発授業」(弁護士 鈴木 満)

先日、埼玉県立所沢中央高等学校で、労働問題・労働条件に関する啓発授業の講師を担当し、約300名の高校生に対して講義をしました。
授業の中では、どのようなものが労災として認められるのか、労災と認められると自分の人生や家族の生活に大きな影響があるのか、社会問題になっている過労死の現状などについて話をして来ました。
授業の資料を作成している中で、私自身も新たな気づきがありました。
厚生労働省作成の「令和2年度過労死等の労災補償状況」の職種ごとの支給決定件数の統計では、「自動車運転従事者」が、脳・心臓疾患の支給決定件数では1番多く、精神障害の支給決定件数では5番目に多い数でした。
この「自動車運転従事者」には、「バス運転者」やタクシー運転手などの「乗用自動車運転者」ののほかに、トラック運転手を含む「貨物自動車運転者」が含まれています。
私も、様々な労働事件を通じてトラック運転手の中には、大変な働き方をしている人がいることは認識していたので、この統計を見たときにこの「自動車運転従事者」にはトラック運転手が多く含まれるのではないかと思いました。
コロナ禍においては、通販を利用する方も増えたと思います。注文した翌日に荷物が届くこともあり、とても便利だと思います。
しかし、その結果、トラック運転手として働く人々にしわ寄せがきているのではないかと思いました。
私たちの便利な生活を享受する一方で、大変な働き方をしている人もいることを忘れてはいけないと改めて思いました。

弁護士 鈴木 満

 

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