「イチケイのカラス」と機能不全の最高裁の裁判官出身判事

現実の刑事裁判が、このドラマのように、もっと人と事実に向き合うことができれば、
刑事裁判は、よりよいものになるかもしれません。
事実がどこにあるのか、何が原因なのかを見極めるのは難しいのですが、日々鍛錬なのだと思います。
検察官が、片面的ではない真実発見を目指すというのは、とっても新鮮で、升さん、山﨑さんのコンビもよかった。
それにしても、黒木華さんの裁判官? 裁判官の黒木華さん?は素敵でした。
出世も目指しながら、政治に忖度しないで事実を見極めようとする。裁判官の鏡でしたね。現実の社会では、夫婦別姓を認めない民法を合憲だとする最高裁大法廷決定が6月23日にありました。
非常におもしろいのは、裁判官出身の最高裁判事が全員合憲判決をくだしているところです。
下級審判事がヒラメ判事と揶揄されることがありますが、実際には下級審判事の中には素晴らしい裁判官もいます。
ところが、最高裁判事は忖度しなければならないもの何もなく、
憲法と良心に従って判断すればいいのに、実際には政府・自民党に忖度しているようです。
日本政府・自民党寄り最高裁支部とでも言いましょうか。弁護士出身枠の判事の中にも、在野法曹の役割を放棄した判事が2名(山口厚判事、木沢克之判事)ほどいますが、捻じ曲げられた任命手続経過からすると、当然といえば当然でしょう。

検察官出身の三浦守判事が、明快に違憲であると判断しながら、手続がないから却下意見を出したのは、
ある意味、厳格に憲法と法律を踏まえて判断したと言え、おもしろいですね。

ある意味、砂川事件最高裁大法廷判決を踏まえても、歴史的に最も政治的に偏っているのは最高裁なのですよね。

私にはできませんが、能力と良心を兼ね備えた弁護士任官者がもっと増えることを期待したいと思います。

弁護士 伊須 慎一郎

image_printこのページを印刷
シェアをお願いいたします。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次