事業者ファクタリング業者を提訴しました(弁護士 鴨田 譲)

ファクタリングとは、主に債権の売買のことをいい、例えば、A社が取引先のB社に対して1ヶ月後に返済される100万円の売掛金債権をいま80万円でC社に売買するという形で行われます。この場合、通常、A社がB社に対して、債権の売買をしたことを通知することになります。

ところが、最近問題となっている偽装ファクタリング業者は、「二社間ファクタリング」と称して、取引先B社に一切通知しないまま、C社がA社に80万円を交付し、1ヶ月後に、A社が自分でB社から100万円を回収し、この100万円をそのままC社に交付します。
この場合、B社は一切登場せず、単にA社とC社との間で金銭のやり取りが行われただけですので実質的には債権の売買ではなく、貸金(金銭消費貸借契約)となります。
貸金であれば貸金業法等の法律が適用され、年利109.5%を超える契約は無効になりますが、この例では年利計算で約304%になり無効ということになります。

昨年5月に給与債権を対象とした給与ファクタリング業者を提訴しましたが、その後9月には、中小企業や個人事業主を対象とした事業者ファクタリング業者を提訴しました。
違法金融の撲滅のために尽力していきたいと思います。

弁護士 鴨田 譲

 

(事務所ニュース・2021年新年号掲載)

 

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