生活保護基準引下げ違憲訴訟(弁護士 古城 英俊)

弁護士 古城 英俊

2013年8月に生活保護基準が引き下げられ、2014年の4月も同様に引き下げられました。
これらの引下げに反対する活動に取り組んできましたが、2014年8月1日、原告25名が、2013年8月の引下げを取り消すよう求める訴訟をさいたま地方裁判所に提起しました。
この訴訟では、引下げによって原告がより一層困窮状態に陥り精神的苦痛を被ったとして、国家賠償も請求しています。

2014年11月19日、第1回口頭弁論期日が行われる1時間以上前から、裁判所の建物の前には、傍聴券を求めるたくさんの人たちが列を作っていました。
50枚弱の傍聴券を求めて並んだ人数は188名。期日と並行して開催された裁判を支援する集会の参加者は238名。
多くの人に関心を持ってもらい、また、支えられ、原告も弁護団も勇気づけられました。

埼玉での第1回期日までに、全国でもすでに13県が基準引下げに対する取消訴訟を提起しました。
全国各地で、基準引下げは憲法25条違反であるという声が上がっています。
2012年の生活保護バッシングの報道以降、生活保護受給者は肩身の狭い思いをし、どんなに苦しい生活をしていても声を上げることができませんでした。

しかし、今回の引下げは、受給者の生活をより一層困窮状態に陥らせるものであり、違憲・違法なものです。
また、生活保護基準は、個人住民税の非課税基準などとも連動しており、基準の引下げは、生活保護受給者だけの問題ではありません。

基準の引下げ反対が全国的な流れになっていますし、埼玉でも裁判を通じて今回の引下げがいかにおかしいものかを訴えていくことで、違憲・違法な国の行為に対して胸を張って「おかしい」と言える雰囲気を徐々に広げていくよう継続して取り組んでいきます。

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