南米ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさんが今年5月死去した。その質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」として知られた。
首都近郊の貧しい家庭に生まれ、社会主義思想に共感し、20代の頃から反政府活動に加わり、何度も収監と脱獄を経験した。軍事政権下で10年以上投獄され、厳しい拷問を受けたが民主化で釈放され、その後下院議員に当選し、2010年に大統領に選出されて5年間の任期を務めた後、2020年に高齢などを理由に政界を引退した。大統領の給与の大部分を貧困層に寄付し、在任中も農場での生活を続けていたという。「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないこと」「私は質素なだけで、貧しくはない」というのが2012年の国連演説である。
片やウクライナ侵略のプーチンは大宮殿を所有し資産は20兆円を超えるという話もあり、トランプはその民主主義破壊の酷い言動もさることながら、本人や一族はその地位を利用して昨年1年だけでも暗号資産への投資などで6億ドル(約900億円)もの収入を得ているという情報もある。
日本の裏金政治家も含めて、そうした権力者らの金欲と横暴は目に余りますが、「私たち人間は節制し、持続可能な生き方を学び、地球上の生命の調和を維持することを学ぶ必要があります」というムヒカ氏の言葉を本当に真剣に考えなければならないと思います。
弁護士 梶山敏雄
(事務所ニュース・2025年夏号掲載)

