【コラム】高齢者の身元保証問題(弁護士 宮本澄香)

高齢者の身元保証問題は、昨今の高齢化社会における課題のひとつです。医療機関や介護施設への入院・入所の際に、保証人が求められるケースが多いためです。
しかし、様々な理由で頼れる家族等のいない高齢者にとっては、保証人の確保は容易ではありません。その結果、いざという時に必要なサービスの利用を断念せざるを得なくなるおそれがあります。

身近に保証人となれる家族等がいない場合、後見制度の利用の他に、民間事業者の提供する身元保証サービスの利用も考えられます。
しかし、現状民間事業者の提供する身元保証サービスには、監督官庁や法規制が存在しません。そのため、事業者ごとにサービスの質や費用体系にばらつきがあるだけでなく、中には利用者にとって極めて不公正な契約内容が定められており、契約トラブルにつながる場合もあるようです。

このような状況を受けて、国は昨年「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を発出し、身元保証サービス等を提供する事業者に対し、サービス内容の説明義務、契約の公正性、費用の明確化等を求めています。
今後も規制制度や仕組みの見直しが図られることで、運営の透明性が高まり、利用者が安心して利用できるようになればよいと思います。(同時に、施設や医療機関が利用者に保証人を求める慣行が、もう少し柔軟に運用されるようになればと思いますが…。)。

弁護士 宮本澄香
(事務所ニュース・2025年夏号掲載)

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