危険な無策(弁護士 髙木 太郎)

弁護士 髙木 太郎

 トランプ大統領の来日で、日米首脳の間で北朝鮮政策に関し「すべての選択肢がテーブルの上にある」ことが再確認された。アメリカが北朝鮮の核攻撃施設を先制攻撃することもありうるのだ。

 米統合参謀本部が「北朝鮮の核兵器を完全に破壊する唯一の方法は陸上侵攻」であることを認めた。地上戦しかなければ、アメリカの圧倒的戦力を投入しても制圧に数日以上かかることは明らかである。この間に、北朝鮮は断末魔の反撃で核を含むミサイルをソウル、東京に発射するだろう。迎撃ミサイルは半分以下の確率でしか北朝鮮のミサイルを撃ち落とせない。地上戦で多数の死者が出るばかりではなく数百万の市民が被害を被ることになる。これを防ぐ手立てはない。さらに、緊張関係が高まれば、偶発的な事件から戦闘が始まり同様の展開になることもありうる。

 だからこそ、米軍人も含めて、交渉が大事だと繰り返しているのだが、日米首脳は聞く耳を持たない。米首脳は世論対策と武器売り込みか。強いことを言っていれば支持する人が一定数いる。危機をあおって武器を売り込めば軍需産業の支持もさらに得られる。日首脳は・・・。強さを誇示する世論対策、そして世論の支持が細ってきた今、米のポチでいることが生き残りの唯一の方法だからか。

 先制攻撃、偶発事態が起こらないことを祈る。

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