11/18-19シンポジウム”復興の人間科学2023”①福島原発事故12年の経験から学ぶ②フクシマの“いま”を知る

シンポジウム“復興の人間科学2023”が、下記のとおり開催されます。どなたでも参加できます。オンライン参加も可能です。是非、ご参加ください。

2023年 11月18日(土)10時/19日(日)10時

早稲田大学大隈記念講堂 (小講堂/大講堂)無料,申込不要
Zoom同時開催
(Zoom参加の場合ネット申し込み制: https://wima.jp/

◆主催:早稲田大学人間総合研究センター,早稲田大学災害復興医療人類学研究所(WIMA)
    大会長:辻内琢也,実行委員長:平田修三,事務局長:金智慧    
◆共催:MITATE Lab. Post-Fukushima Studies(フランス国立科学研究センター見立てラボ)(2日目)https://mitatelab.cnrs.fr/
    科研費基盤研究(B):原発事故被災者の移住・帰還・避難継続における新たな居住福祉に関する人間科学的研究
◆問合せ先(WIMA研究所事務局:辻内研究室内):〒359-1192 埼玉県所沢市三ヶ島2-579-15 (シンポジウム事務局) E-mail: shinsai-wima@list.waseda.jp

[使用言語:日本語 Language; Japanese, ZOOM英語字幕付:with English caption]

【1】 福島原発事故12年の経験から学ぶー当時小中学生だった若者達との対話から(第2回)ー
Lessons from 12 Years of Experience after the Fukushima Nuclear Accident  : From the Dialogue between Young Victims and Researchers

[11月18日(土)] 大隈記念講堂 小講堂

[ご挨拶] 10:00 開会の挨拶 : 西村昭治(早稲田大学人間総合研究センター所長)

[第1部] 10:05~
 ①企画趣旨・諸注意:平田修三(15分)(大会実行委員長・仙台青葉学院短期大学准教授)
 ②避難経験のある若者5名による発表(各20分)
 ③早稲田大学人間科学部学生による
          事前インタビュー調査結果・考察(各10分)
 ④本シンポジウム企画教員5名によるコメント(各8分)
     (扇原淳,小島隆矢,多賀努,日高友郎,明戸隆浩)
  ※1組目 10:20~11:00,2組目 11:00~11:40、 3組目 11:40~12:20,
    Lunch Time 12:20~13:20
    4組目 13:20~14:00, 5組目 14:00~14:40

[第2部] 14:45~  基調講演 「演劇から考える原発事故の十二年:高校生たちと作る」
 話し手:佐藤茂紀(演出家・劇作家・高校教諭)
 聞き手:吉田千亜(フリーライター・ノンフィクション作家) 
 コメンテーター:辻内悠(応用演劇プラクティショナー)

内容:佐藤茂紀さんがこれまで高校生と作ってきた演劇を通して,ライター吉田との対談形式で原発事故について考える。また,佐藤さんのこれまでの演劇の動画なども交えて,子どもたちと関わってきた佐藤さんの思いも聞かせていただく。

[第3部] 16:00~ パネルディスカッション:辻内琢也(司会)
       被災当事者5名,吉田千亜,金智慧,平田修三
 ①テーマA:原発事故後12年の経験の意味・意義を考える
 ②テーマB:若者達による日本社会・国際社会への提言

[第4部] 17:20~  シンポジウムへのコメント
  村上信夫(茨城大学人文社会科学部教授)
  萩原裕子(WIMA招聘研究員・臨床心理士・震災支援ネットワーク埼玉SSN心理相談チーム代表) 

[ご挨拶] 17:50〜 閉会の挨拶:金智慧(大会事務局長・早稲田大学人間総合研究センター次席研究員)

■11/18基調講演(話し手)■ 佐藤茂紀 (Shigenori Satou)
<プロフィール> 福島県出身.演出家・劇作家・高校教諭,日本演出者協会理事,日本劇作家協会会員,福島県高校演劇連盟理事.
►福島県郡山市を拠点とする劇団ユニット・ラビッツを結成.同劇団主宰,脚本・演出に携わる.高校演劇部顧問.劇団公演,高校演劇のほか,各種公共事業においても脚本,演出を担当.震災後は,演劇の力をもって今の思いを伝えようと,福島県産演劇25作品を発表.
■主な作品■
『この青空は,ほんとの空ってことでいいですか?』(2011)『劇王X~天下統一大会~』東北代表(2012)
『奥羽行進曲』(2013)
『あれからのラッキー☆アイランド』(文化庁委託事業,2015)
『ばけ~ション★プリーズ』(南会津町主催事業,2017)
『ほんとの空のその向こう』(第69回全国植樹祭,2018)
『鼬2021』(文化庁委託事業),他多数.

■11/18基調講演(聞き手)■ 吉田千亜 (Chia Yoshida)
<プロフィール> 埼玉県出身.立教大学文学部卒業.出版社勤務を経て,フリーライター.主に原発事故の取材を続けている.原発事故当時,不眠不休で続けられた地元消防の活動と葛藤を,一人ひとりへの丹念な取材にもとづき描き出した『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』にて,第42回講談社・本田靖春ノンフィクション賞(2020),日隅一雄・情報流通促進賞2020大賞,日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞を受賞.
■主な書籍■
『ルポ母子避難:消されゆく原発事故被害者』(岩波新書,2016)
『その後の福島 原発事故後を生きる人々』(人文書院,2018)
『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』(岩波書店,2020)

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【2】 フクシマの“いま”を知るー自然科学と人文社会科学との対話から:教育を軸に考えるー
Understanding Fukushima Today:From a Dialogue between Natural Sciences, Humanities and Social Sciences. Rethinking Education.

[11月19日(日)] 大隈記念講堂 大講堂

[第1部] 10:00~ 基調講演「研究不正・学界・メディア:宮﨑・早野論文をめぐる問題を中心に」
          影浦峡 (東京大学大学院教育学研究科教授)
 内容:2016年,2017年に発表された宮﨑氏(福島県立医大)と早野氏(東京大学)による,空間線量と個人被ばく線量の関係を扱う2論文に研究不正が発覚したことは日本社会だけでなく国際社会にとっても衝撃的な事件であった。 専門語彙論・文書処理・思考の条件としての記号の研究を進めてきた影浦氏に,この宮﨑早野論文の何が問題であったのか,科学的な問題点とメディアの問題点を解説していただく。

[第2部] 11:10〜 リレー講演 (各30分) 

①小豆川勝見(11:10~)自然科学者(環境分析学) 
 「線量測定と住民とのやりとり―大熊町を例に」
②浅沼=ブリス・セシル(11:45~)人文社会科学者(都市社会学)
 「浪江―原発事故後の回復力レジリエンスの世界的モデルとして映し出される田舎の村」
③鴨下祐也(12:20~)自然科学者(バイオ機能応用学・バイオプロセス工学/ものづくり技術・機械・電気電子・化学工学)
 「科学者そして当事者として体験し考え続けてきたこと―事故前,事故後,そして“いま”」

<Lunch Time 12:50〜13:50>

④日高友郎(13:50~)人文社会科学者(社会心理学)・自然科学者(衛生学)
「福島原発事故による長期避難後の帰還困難区域への帰還に関する懸念:飯舘村長泥地区住民へのインタビューから」
⑤辻内琢也(14:25~)人文社会科学者(文化人類学・医療人類学)・自然科学者(心身医学・災害精神医学)
「過剰な不安ではなく正当な心配である:放射線の健康影響に対する科学リテラシー」
⑥明戸隆浩(15:00~)人文社会科学者(社会学・多文化社会論)
「計量テキスト分析をふまえた『復興』概念の批判的検討」

[第3部] 15:40~  パネルディスカッション:増田和高(司会)
 パネリスト(小豆川,ブリス,鴨下,日高,辻内,明戸)
「フクシマの“いま”を知るー自然科学と人文社会科学との対話から:教育を軸に考えるー」

[第4部] 17:20~ シンポジウムへのコメント(各10分)
 堀川直子 (WIMA招聘研究員)
 森松明希子(WIMA招聘研究員・東日本大震災避難者の会Thanks&Dream代表)
 猪股正(WIMA招聘研究員・震災支援ネットワーク埼玉SNN代表)

[ご挨拶] 17:50〜 閉会の挨拶:辻内琢也 (大会長)

■11/19基調講演■ 影浦峡 (Kyo Kageura)
<プロフィール> 北海道出身.東京大学教育学部,マンチェスター大学科学技術研究所卒.現在,東京大学大学院教育学研究科・総合教育科学専攻生涯学習基盤経営講座・図書館情報学研究室 教授.Ph.D(マンチェスター大学),修士(教育学).専門は言語とメディア.情報学,言語学,計量言語学,翻訳学の分野の国際ジャーナル・学会で幅広く活躍.日本図書館情報学会賞(2001),言語処理学会第12回年次大会優秀発表賞(2007),日本学術振興会理事長表彰(2012),A-LIEP Best Paper Award (Research-Theoretical,2021).
■主な著書・訳書■
“The Quantitative Analysis of the Dynamics and Structure of Terminologies” (Amsterdam: John Benjamins, 2012)
『ソシュール:一般言語学講義:コンスタンタンのノート』(東京大学出版会,2007)
■会場のご案内■
早稲田大学大隈記念講堂
住所:東京都新宿区戸塚町1丁目104
(地下鉄東西線「早稲田駅」徒歩5分,都営バス「早稲田大学正門」徒歩1分,都電荒川線「早稲田」徒歩5分,JR・西武線「高田馬場駅」徒歩20分)

■シンポジウムの概要■

東日本大震災および原発事故から今年で12年が経つ.しかし,福島第一原子力発電所事故により避難生活を余儀なくされた人々の多くは,いまだに生活基盤が確立しておらず,生活や人生における苦悩が継続している.

2011年に「人間科学学術院としても復興に役立つ学術的支援ができないだろうか」という教授会での問題提起を機に,有志の教員によって『震災と人間科学ネットワーク』が組織され,人総研シンポジウムとして2012年3月に『東日本大震災と人間科学』,2013年3月に『第2回東日本大震災と人間科学:ポスト3.11の災害復興と環境問題を考える』が開催された.2013〜2015年はプロジェクト科目『災害の人間科学』,2016〜2018年はプロジェクト研究『復興の人間科学』,そして2020年からは科研費Bを獲得し,このチームによる研究調査・支援・教育活動が継続され,2021年には人総研シンポジウム『福島原発事故10年の経験から学ぶ―当時小学生だった若者たちとの対話』を開催した.大きな成果と反響があった(YouTube記録動画再生回数:合計1950回)一方で,今後,時間をかけて向き合っていく必要のある様々な課題も浮き彫りになった.今回企画するシンポジウムは,そこでの課題を引き継ぎながら実施するものである.

1日目のシンポジウム・テーマは『福島原発事故12年の経験から学ぶー当時小中学生だった若者達との対話から(第2回)ー』である.原発事故による避難生活という過酷な人生体験を小学生・中学生の時期に経験した被災者は,今年で19歳〜27歳となる.子ども時代の被災・避難体験は,人生に大きな影響を与える一方で,そこでの苦悩や子どもの立場からの発信は,今なお,社会に十分に届いていない.また,子どもという立場ゆえ,あるいは深刻化する分断という社会的状況のなかで,彼らが声を上げること自体がますます難しくなっているようにも感じられる.

本シンポジウムの目的は,彼らのこれまでの12年の人生経験から,私たちが何を学べるのか人間科学的視座から問うものである.本チームは,著書『ガジュマル的支援のすすめ』,『震災後に考える:東日本大震災と向き合う92の分析と提言』,『Human Sciences of Disaster Reconstruction』や,国際誌・学会誌に数多くの成果を発信してきた.本シンポジウムは,医療人類学(辻内),発達心理学(平田),臨床心理学(金),社会心理学(日高),環境心理学(小島),社会医学(扇原),社会福祉学(多賀),地域福祉学(増田),精神保健福祉学(岩垣),社会学(明戸),社会人類学(堀川),法学(猪股)といったトランス・サイエンスの観点から,未来を担う若者達の語りを傾聴し対話を重ねることに意義があると考えている.

2日目のシンポジウム・テーマは『フクシマの“いま”を知るー自然科学と人文社会科学との対話から:教育を軸に考えるー』である.福島原子力発電所事故を発端にした災害を,ここでは「フクシマ原子力災害」と呼ぶ.この災害は福島県だけの問題ではなく,日本全体の問題であり,かつ国際的問題であり,さらに地球全体の問題であると企画者らは考えている.“いま”フクシマで何が起きているのか?放射性物質はどうなっているのか?被災地はどう変容していっているのか?環境は?人々は?復興は?,現在も続く巨大な問題群を,自然科学者と人文社会科学者そして当事者たちとの対話をもとに解読していく.

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