【コラム】 マイナンバーカード(弁護士鴨田 譲)

マイナンバーカード(法律上は「個人番号カード」といいます。以下、「カード」といいます。)は、2016年1月から交付が開始され、当初普及率は低かったものの、2021年7月には、普及率が34%に達し、国民の3人に1人がカードを持っている状態になりました。カードには、その表面に個人識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、性別)が、裏面には12桁の数字のマイナンバー(個人番号)が記載されています。カードは、ICカードであり、読み取り機でカード内に記録された情報を確認できるので、本来であれば、カード上に個人情報を記載する必要はありません。

ところが、カードを公的身分証明書としてどこででも誰に対してでも使えるようにしたため、このような記載がされるようになりました。マイナンバーは、一人一人異なる原則生涯不変の個人情報ですが、カードを携帯することで提示の際や紛失拾得の際にマイナンバーや個人識別情報を他者に見られたり知られたりし、それが不正利用される危険性があります。
政府はカードの更なる普及策として、①カードへの健康保険証機能の取り込み、②最大5000円分のマイナポイントの付与などの施策を決定しました。しかし、①は768億円という多額の予算を投じて2023年3月までに全ての医療機関での導入を目指しているところを見ると、現在のカード型健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することを目指していると考えられ、これは国民に対するカードの事実上の取得強制といえます。
また、②については、2478億円もの多額の予算が取られていますが、「行政事務の簡素化」という本来のマイナンバー制度の目的とは無関係の単なる交付枚数増加策といえます。

このように現在の政府のカード普及策は大きな問題がありますので早急に見直されるべきです。

弁護士 鴨田 譲

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