「夜間中学」を知っていますか?

 

「夜間中学と日本の教育の未来」という本を頂きました。
恥ずかしながら夜間中学について何も知らなかったのですが、文部科学省によれば、
「戦後の混乱期の中で、生活困窮などの理由から昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒が多くいたことから、それらの生徒に義務教育の機会を提供することを目的として、昭和20年代初頭に設けられたもの。
現在では、義務教育未修了の学齢超過者や、外国人等で日本語の学習を希望する者を中心に教育を行っている。
とあります。

長い間、夜間中学は、学校教育法に定められていない日陰的な存在とされてきましたが、2016年12月にいわゆる教育機会確保法が成立し、地方公共団体は夜間等において授業を行う学校における就学の機会の提供等を講ずる、ことが定められました。
あらゆる年齢層が、国籍・民族、社会的出身、性の多様性、障がいの有無などにより差別されることのない教育の内容と方法と制度を求め、長年市民が活動してきた一つの成果です。

2017年現在、8都府県に31校の夜間中学が存在し、埼玉県内にはありませんでしたが、2019年4月、川口市に埼玉県初の公立夜間中学が開校するそうです。
「共生」に向けた取り組みの一つとして、今後も注目したいと思います。

弁護士 谷川 生子

 

 

 

image_printこのページを印刷
シェアをお願いいたします。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次