貧困ビジネスに賠償命令 生活保護費を搾取…「権利侵害」認定/地裁

3月1日に、当事務所ホームページでご紹介した事件に関する2017年3月2日の埼玉新聞の記事です。

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生活困窮者を狙った「貧困ビジネス」で、路上生活者などを宿泊施設に入所させて生活保護費を搾取したとして、さいたま市の60~70代の男性2人が埼玉県戸田市の金型加工会社「ユニティー」と代表者男性(75)=所得税法違反の罪で懲役1年6月、執行猶予3年が確定=を相手取り、生活保護費の返還と慰謝料など計約2735万7千円を求めた訴訟の判決が1日、さいたま地裁であり、脇由紀裁判長は「最低限度の生活を営む権利を侵害し、不法行為が成立する」と違法性を認め、代表者男性に計約1579万円の支払いを命じた。会社側への請求はいずれも棄却した。

代理人弁護士によると、「貧困ビジネス」に関連する入所者が原告となり、賠償が認められたのは県内で初。全国でも珍しいという。

訴状などによると、原告2人は2005年から10年にかけて、JR新宿駅構内などでの勧誘を通じ、さいたま市桜区内の宿泊施設に入居。生活保護を受給したが、住居費や食費などの名目で保護費を搾取され、手元には月約2万円しか残らなかったとしている。

判決で脇裁判長は代表者男性が原告の生活保護費を徴収していた点に触れ、「健康で文化的な最低限度の生活水準に満たないサービスしか提供せず、生活保護法の趣旨に反し違法性は高い」と指摘。原告との間で結んだ契約については「公序良俗に反し無効」として、男性の不法行為を認定した。

被告側の運営者男性は「困窮者を支援、救済するため」だったとして「自立支援や健康回復のために住居や食事を提供しており、劣悪とはいえない」などと反論していた。被告側の代理人弁護士は「判決文が届いていないのでコメントできない」としている。

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