大学で講師をしている関係で、たまに、受講生である学生と授業内容とは関係のない雑談をする機会があります。学生から聞く限り、今の大学生は、自身の学生生活と比較して、相当大変なんだな…と実感します。
現在、「キャリアデザイン」という講義を授業として設定している大学が多いようで、1年生の時点から、将来の進路や変動する社会の中でどのように生きるべきなどの、人生設計を種々の学問領域から考えるという内容が多いようです。就職活動の際に行うような業界研究もあれば、高齢化社会・AI技術など技術発展を前提にした今後の生き方を考えるなど、想像しにくいテーマを検討することもあるそうです。
大学生といえば、勉強であれ遊びであれ、自分自身の興味関心にしたがって、自由に時間を使っているものとばかり思っていましたが、現在は必ずしもそうではないみたいです。自分の興味関心だけにしたがって過ごしていた自分には、現在の大学生の生活は厳しいと思ってしまいます。
また、教員としても、受講生全員の興味関心をひく内容を提供できるわけではないので、何について、いつ考えるかということは、学生に自由に決めてもらう方が良いと思っております。まして、学生個人の「キャリア」について考えた結果を採点し評価をする力量は、私にはありませんので、こうした授業を担当される先生には頭が上がりません。
「大学」も、研究機関という役割だけでなく、教育機関としての役割が求められる中で、自分自身も、教員としてのキャリアも考える必要がありそうです。