【コラム】選挙結果に思うこと(弁護士 梶山敏雄)

スマホなどSNSから選挙の情報を得る人が増えた

昨年の各種選挙の結果・内容については衝撃でもあり、色々と考えさせれる現象が続きました。都知事選では選挙掲示板割当枠の売買や選挙とは全く無関係なポスターの貼付。SNS戦略を駆使しての事前予想を覆す候補者の大量得票。衆院選挙でのやはりSNSの影響との指摘がある特定政党の当選者の増加。際だったのは誰も予想できなかったのではないかと思われる兵庫知事選での元知事の再選。それは選挙に関心のなかった若年層などの投票率の高さなども理由の一つと言われ、政治参加の意識が高まった結果とも考えられ、積極的に評価できる側面もあるとは思われます。ただ、真偽のほどは正確には判りませんがSNS上の情報には虚偽の情報も多数含まれて拡散されたとか、立候補した自分ではなく元知事を当選させる選挙運動をするなど、これまでの常識では考えられないような事が多数行われました。約40年前の、知人に手紙で投票依頼をしたことが選挙違反だとして何十人もが被疑者として捜査対象となった埼玉北部信書弾圧事件などは何と牧歌的な事件であったかとさえ思われます。ただ、このような手法での選挙が拡大されて偏って熱狂的になり、万一にも思いもしなかった方向に日本を進めさせることにならないように、アメリカのような分断が一層強まる社会を招くことに繋がらないように願うばかりです。

弁護士 梶山 敏雄

(事務所ニュース・2025年新年号掲載)

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