数々の俳優が坂本竜馬を演じてきたが、『JIN-仁-』の内野聖陽さんの坂本竜馬のカッコよさは頭抜けていました。きのう何食べた?のけんじも味わいがありますが。
その内野さんが「ほぼ」ひとりで演じる「芭蕉通夜舟」の当日券を求め、10月26日、紀伊國屋サザンシアターへ。当日券でありながら、前から5列目、ラッキーでした。
36場面で、内野さん演じる「ばせう」は、便秘に悩み、雷を恐れ、こぼれた水の流れを見て自分が枠に捕らわれていると悩み・感じ、1つ1つの言葉を大事に、宇宙意志・自然と交流しながら、俳句を庶民の娯楽として広めていきます。
最後の「通夜舟」の場面で、亡き「ばせう」を菩提寺に運んでいることを知らない船頭さんが、自分は、俳句が趣味で、妻に隠れて俳句を詠み、大会のようなところで、はじめて賞を取ったんだ、と喜ぶ場面で終わります。
ばせうにとっては、これ以上、うれしいことはなかったのではないかと感じます。
「高く悟りを開いて、俗に帰るべし」
全国を旅して、宇宙意志や自然と交流しながら、庶民の暮らしに根差した俳句を詠い続けた松尾芭蕉。内野さんの「ばせう」も最高でした。