法教育の授業に行ってきました(弁護士深谷直史)

私が所属している埼玉弁護士会法教育委員会では、小中学校や高校に講師派遣をし、法教育の実践の授業を行っています。先日、私も講師の一人として小学校に行ってきました。今回は「問題解決」の授業です。

簡単に言うと、あるテーマの課題を生徒自らが発見し、その解決策を理由とともに説明し、お互いに議論してもらうというものです。弁護士の役割はというと、何かを教えるわけでなく、生徒たちの自発的な話し合いをサポートして議論の状況を見守ります。
こうやって授業をやってみると、「議論」というのは、ちゃんと訓練をしておかないと適切な形にならないなと改めて感じます。

「議論をする」と一言で言っても、①自分の主張を簡潔に言う、②自分の主張に至った理由を説明する(ここが一番大事)、③自分の意見を最後まで言う、④言われた意見をちゃんと最後まで聞く、といったように、幾重ものプロセスを経てようやく「議論」になります。大人同士の話し合いでも、②を何となくで済ませてしまったり、④が軽視されてしまったりすることもあると思います。

今回の授業では、このお作法を守りつつ、問題解決に向けてちゃんと話し合いができるかどうかを見ていました。生徒の皆さん、とても良い話し合いができていたと思います。弁護士の仕事にも興味を持ってくれたみたいで、何だか嬉しいです。

小学生はとてもパワフルで、かつ鋭い意見が出たりするので、講師の私にとっても刺激になります。「論破」がもてはやされる現代で、双方向の適切な議論ができるようになってもらえればなと思います。今後の日本の民主主義を支える生徒たちに、未来にバトンを繋ぐつもりで今後も授業をしていきたいと思います。

弁護士 深谷 直史

image_printこのページを印刷
シェアをお願いいたします。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次