日韓市民交流を進める「希望連帯」声明:「平和に逆行した日本政府の対韓政策に強く抗議する!」

日韓市民交流を進める「希望連帯」の声明が、本日、公表されました。

 平和に逆行した日本政府の対韓政策に強く抗議する!
 私たち日韓市民は東アジアの平和を求めている!
 日本政府による韓国政府への対応は、礼を失し、節操がなく、常軌を逸しています。
 8月2日の「ホワイト国リスト」から韓国除外という閣議決定は、日韓友好を根底から破壊する行為であり、私たちは強く抗議すると同時に、日本社会の一員として韓国の皆さんにお詫びする気持ちでいっぱいです。
 自由貿易の恩恵を享受している日本は、先のG20でもそうだったように、率先してこの体制を堅持していく立場にいます。それにも拘わらず輸出手続きの規制を強化し、管理貿易を強めることは、WTO規約違反だけでなく日本経済を傷つける愚かな行為です。
 このような日本政府の動きは、韓国を仮想敵国として内憂を外患にして危機を乗り越える、行き詰まった政権の常套手段でもあります。まずは、消費税引き上げによる国内景気の失速への対応、拡大する格差の是正、対ロシアをはじめとした外交政策失敗の回復にこそ努力すべき時です。
 日本政府がいくら「安保上の措置」と言っても、昨年の韓国大法院(最高裁)による元徴用工関連判決をはじめ、安倍政権の言いなりにならない韓国政府への制裁にほかなりません。また、朝鮮半島の平和、非核化に関して、安倍政権が関与できないまま南北融和が進められていますが、こういった「置いてきぼり」への報復とも受けとめられます。
 さらに、2016年から17年にかけておよそ1,700万人もの人びとが参加し、平和裏に政権交代を実現させた韓国の民主主義改革への危機感の表われでもあります。韓国で民主政権が誕生して、南北首脳会談など南北交流が進んだのは偶然ではありません。戦後、韓国の保守政権は一貫して反共(北)政策を強行し、国内の南北融和勢力を激しく監視、弾圧してきました。経済も財閥企業優遇政策をとり、韓国社会に大きな歪みと格差が拡がり、膨大な貧困層が生まれました。大統領選挙では、その是正へ向けての政策転換が多くの有権者から支持を受け、民主政権が誕生しました。日本とは真逆な転換であり、日本の保守政権はその波及を警戒しているわけです。
 韓国は1987年に大統領直接選挙実施などの民主化を実現させています。あらゆる権限が大統領に集中、独裁と化していたことを反省し、国会と司法に権限を振り分け、憲法裁判所や国家人権委員会などを創設しています。近代立憲国家として当然である三権分立に依って、元徴用工判決を司法判断と尊重しました。むしろ「政権が司法判決を左右できる」という日本の保守派や日本政府の主張こそが三権分立に基づいた近代民主主義とは程遠いのです。 
 韓国では、このような安倍政権の居直りと報復を見抜き、南北融和を阻害していることに危惧し、「NO!ABE」の声が急速に拡がっています。同時に、韓国国内の安倍政権に連動する反共・親日勢力が民主政権への攻撃を強めていることにも怒りを表明しています。
 しかし、日本のマスコミは、韓国全体が「反日」を加速させ、日本社会全体への批判を強めているように意図的な報道を繰り返し、韓国保守派マスコミの「朝中東」(朝鮮日報・中央日報・東亜日報)の保守的論調の日本語版をそのまま垂れ流しています。日本のマスコミは、客観的公正な立場で、事実を歪めないで報道すべきです。
 最後に、民主主義や東アジアの平和と安定に逆行する今回の閣議決定に抗議し、日本政府に対して冷静な平和外交の実施を強く求めます。私たちは今年3月27日、「東アジアの平和をめざす日韓市民連帯〜日本からのアピール」を発表、市民レベルでの平和的国際交流を進めて来ました。今後、日韓市民によるさらなる平和と友好の相互交流、連帯を進めることを表明します。

2019年8月5日
                           日韓市民交流を進める「希望連帯」

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