外国人も「人」 (弁護士 鈴木 満)

先日、10月4日に青森で開催される人権擁護大会の準備ため、外国人労働者の受け入れ制度の調査で、スウェーデンとドイツへ行ってきました。

スウェーデンでは、外国人労働者を正面から労働力として受け入れ、永住権や市民権(日本でいう国籍のようなもの)を取得することも日本に比べると容易になっています。また、家族の帯同も比較的認められています。
教育などの様々な面で、外国人がスウェーデン社会に統合できるようにすることにも意識が向けられています。また、外国人に対する手当も厚く、スウェーデン語が分からない人が権利を行使するために、書類等の翻訳・通訳が必要となったときには、行政に、行政の費用で通訳人をつけるように求めることができます。

日本では、現在、労働力不足対策としてより多くの外国人を受け入れようと、急速に制度改正が進められています。しかし、日本では、家族の帯同は認めていません。通訳人を見つけるのが困難なことも多く、外国人が生活するのに必要な手当が十分に整っていません。
このような状態で突然多くの外国人を受け入れては、受け入れた後に職場や私生活で様々な人権侵害が生じかねません。制度を整える必要がありますが、それには時間がかかります。そのときまで、私は、個別の権利救済に取り組み、困っている外国人の助けになれたらと思います。

弁護士 鈴木満

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