【コラム】生活保護基準引下げ違憲訴訟、まさかの再減額処分へ(弁護士 鴨田 譲)

Balanced scales of justice on a gold base, symbolizing fairness and law as a legal icon.

2025年6月27日、最高裁判所で原告側勝訴の判決が言い渡されました。…約11年にわたる裁判はこれで一区切りとなりました」と前回の事務所ニュースでお伝えしました。
しかし、この紛争はまだ終わらないことがほぼ確実な見通しとなりました。
最高裁判決後、国は「最高裁判決への対応に関する専門委員会」という有識者会議を立ち上げ、9回の会議を行い、これを受けて、厚労省は11月21日、最高裁判決への対応策を公表しました。この対応策は、すべての生活保護利用世帯に対し、
①最高裁判決で違法とされなかった「ゆがみ調整」を再実施し、
②違法とされた「デフレ調整(-4.78%)」に代えて、低所得者の消費実態との比較による新たな調整を「-2.49%」行う一方、
③今回の訴訟の原告であった方については「特別給付金」として②の減額分を追加給付するというものです。
要は、最高裁で否定された理由とは別の理由付けによって、再度減額処分を行うというものです。こんなことが許されてよいのでしょうか?これが許されるのであれば、国が裁判に負けたとしても、別の理由付けで改めて処分を行い、これに対して原告が訴訟を提起して・・ということが繰り返され、原告は永久に国に勝訴できないこととなり、裁判自体が無意味ということになりかねず、司法権や三権分立の存在意義を失わせかねないものです。さらに、原告以外の方から見れば、追加支給額に差が出ることになり平等原則違反ともいえます。
今後ついては不透明な部分もありますが引き続き国の動きを注視していく必要があります。

弁護士 鴨田 譲

(事務所ニュース・2026年新春号掲載)

<今年の目標> せいろ蒸しを極める

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