入所のご挨拶に代えて (弁護士本間啓誉)

SNS

2024年4月より、埼玉総合法律事務所に入所しました、弁護士の本間啓誉(ほんまひろたか)と申します。弁護士としての活動のほかに、大学院にて、憲法(特に、憲法訴訟論、表現の自由)の研究を行なっています。学問的側面と実社会的側面の両方から、問題解決に取り組もうと思い、入所することになりました。これから、どうぞ、よろしくお願いいたします。

せっかくの機会なので、皆さまに自己紹介をと思う反面、興味関心を持ってもらえそうな話のタネや体験がなく、紹介する「自分」が見当たらないので、最近の法改正に関する紹介をご挨拶とさせてください。

SNS上の投稿によって、権利や利益が害された場合に利用される法律であるプロバイダ責任制限法は、2024年に改正され、情報流通プラットフォーム対処法という法律に変わります。主な改正は、利用者から投稿削除依頼をする場合の手続や削除基準について、プラットフォーム(SNS運営側)にその公開を義務付けることです。改正の目的は、削除の迅速化と透明化を図ることと言われています。SNS利用者の表現を守りつつ、被害者の救済を図る。

こうした事業者による削除(規制)につき、アメリカでは「(国家の)代理人による検閲」として過剰な私的検閲がなされる危険が指摘されています。現代のテレビが昔に比べて「つまらなくなった」と感じる(過激なバラエティ番組ばかり見ていた私だけかもしれませんが…)のも、こうした「代理人による検閲」の現れなのかもしれません。

テクノロジーの発展に、人や法が追いつくには、時間がかかります。SNSの利用が現実世界での生活をより豊かにするということなのであれば、SNSというサイバー空間が「生きづらい場所」にならないように、利用の方法・法の規制の仕方について、まだまだ考える必要がありそうです。

弁護士 本間 啓誉

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