日本労働弁護団関ブロ春の学習会@須坂温泉古城荘に行ってきました(弁護士深谷直史)

毎年の恒例の、日本労働弁護団関東ブロック春の学習会へ参加してきました。今回は、長野県の須坂温泉にあります古城荘での開催になりました。

今年の学習会の大きな目玉は、旬報法律事務所鴨田哲郎先生ご講演の、「労働組合のい・ろ・は」です。先生のご経験から組合事件の歴史を紐解き、現代における労働組合の在り方について学ぶことができました。最後の質疑応答では、なかなか利用されない埼玉県労働委員会の運用改善について助言をいただきました。組合事件は年々減少している中、労働者の権利を拡充するために、一点突破でやっていく気持ちで頑張ろうと思いました。

続いて、東京法律事務所君和田伸仁先生による、「最近の労働判例から」のご講演です。労働弁護士必携の「新労働相談実践マニュアル」にも載っていない令和の超最新判例を総覧もので、労働事件の第一線で活躍されている先生による裁判例解説は、まさに「明日から使える!」ものばかり。非常に充実した時間となりました。

学習会・懇親会には、約40名の団員が参加し、コロナ前の賑わいを取り戻しつつあるようです。76期の新人弁護士たちの自己紹介の時間もあり、良い交流の場となりました。新人の先生は、みなさんとても志が高く、優秀で、私も身が引き締まる思いでした。

学習会後には、少し足を延ばして湯田中温泉と地獄谷温泉にて湯めぐりをしてきました。温泉は、弱アルカリ泉質で、お肌がすべすべになります。

地獄谷野猿公苑にも行ってきまして、温泉に入る野生のニホンザルを観察してきました。来苑者の8割近くが外国人観光客でしたが、生命の神秘を感じることができて、とても楽しかったです。

霊長類は温暖地域に生息するのが通常で(ゴリラ・チンパンジーなど)、雪が降るような寒い地域で生活をしているのは、霊長類だとヒトを除いてはニホンザルだけです。雪が吹雪く厳冬の中、身を寄せ合って冬を越す姿が、愛らしく、海外の方にとっては物珍しく写るようです。

また、温泉に入るニホンザルの野生行動を観察できるのは、世界でも日本でもここだけ。約60年前に、好奇心旺盛の子ザルが地獄谷温泉の旅館後楽館の露天風呂に入り始めたのが群れで共有されるようになり、それが現在まで続いているそうです。温泉に入るサルは、なんとも言えない気持ちよさそうな表情をしていました。

公苑のニホンザルにとっては、人間は有害でもなければ有益の存在でもないようで、大量の観光客に囲まれていても何食わぬ顔で過ごしています。おさるは人間に全く気を遣ってくれず、足元をすり抜けるよう歩いたり手が触れられるくらいの距離まで近づいてきたりします。当然、柵や檻はありません。セルフィーでおさると自撮りをする命知らずの観光客もいましたが、公苑にいるニホンザルは全て野生です。目を合わせる、近づきすぎるなど、ニホンザルを刺激するような行為は控えて観察するのが大切です。ヒトとニホンザルの共存を続けるためにも、マナーを守って観光するようにしましょう。

帰り際に旅館の後楽館に立ち寄り、サルと入れる露天風呂に日帰り入浴してきました。露天風呂の戸を開けると、既に先客のサルがたくさんいるなか人間はゼロ、お邪魔をする形になりました。露天風呂は、サルがいるだけでなく、公苑へ向かう外国人観光客のヒトたちからも丸見えです。外も寒かったこともあり、いたたまれなくなってすぐに出てしまいましたが、内湯の温泉はいい湯でした。

サルとヒトに気を遣いながらの入浴、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

弁護士 深谷 直史

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