「入管法改正」 弁護士 鈴木 満

現在、出入国管理及び難民認定法、いわゆる、入管法を改正する動きがあります。
今回の改正により最も影響を受けるのは、難民申請をしている外国人の人達だと思います。
難民申請者の中には、在留資格を持たない人たちも多く、そういった人たちの中には、何年もの長期間にわたり収容施設に収容されている人もいれば、仮放免という制度によって収容されず社会生活を送っている人もいます。
収容施設の環境の劣悪さは大きな問題であり、死者が出たこともあります。

また、仮放免で収容を免れていても、働くことを許可されていないなど多くの制限がありますので、仮放免者が生活していくのには多くの困難を伴います。
しかし、自国に帰ると命の危険があると考えているため帰国できない難民申請者もたくさんいます。
このように、難民申請者の中には、日本で大変な思いをしていても帰国することもできないまま、日本社会で生活してきた人がたくさんいます。

外国人の人権問題に取り組んできた多くの弁護士は、難民申請者が、今回の改正によって、さらに悪い状況に置かれる危険性があるとして反対しており、日弁連も反対の声明を出しています。
難民申請者の問題は、私たち日本人の生活に直結しないため、関心をもつ人は多くないと思います。
しかし、難民申請者の中には私たちと同じように社会生活を過ごしている人もたくさんいます。
難民申請者の子どもたちの中には、日本で生まれた子どもや日本の子どもたちと同じように小学校や中学校、高校に通っている子どももたくさんいます。

他人事とは思わず、ぜひ皆さんにも関心を持っていただきたいと思います。
日本にはこういう人たちも生活していることを知っていただきたいです。

 

弁護士 鈴木 満

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