イスラム国の後藤健二さんの事件はとても残念な結果に終わりました。
後藤さんが、どれだけ素晴らしい活動をしておられたかは、この事件により初めて知りました。
他方、安倍首相の対応は、せっかく日本が積み上げてきた「敵を作らない外交」を、いとも簡単に放り投げてしまったように思います。
イスラム国というより、イスラム国を産む土壌を改善していくことができる唯一の西側諸国が日本だったように思うのですが、その地位を放りだしてしまいました。
それが安倍首相の不注意のせいか、あるいは意図して行ったものか。
私たち弁護士は紛争の解決を日々の仕事にしています。依頼者が非常に怒っておられる場合にも、その怒りに共感しながら、他方で冷静に何が依頼者の方にとって一番利益かを考え、行動します。
その観点からすると、今回の安倍首相は、日本国民にとって最低の代理人だったのではないかと思います。
後藤健二さんの死を心から悼む人たちが呼びかけているように、憎しみの連鎖をうまないように、後藤さんの仕事の成果を広く広く広げていきましょう。
弁護士 髙木 太郎