【コラム】労働時間規制の緩和反対(弁護士 鈴木 満)

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高市総理は、上野厚生労働大臣に対して労働時間規制の緩和の検討を行うことを指示しましたが、私は緩和すべきではないと考えます。

いわゆる残業時間とも呼ばれる時間外労働時間数は、労働者の脳心臓疾患の発症や精神障害の発病、これらの病気を原因とする死亡といった過労死等の事件において、労災と認定される可能性があるかどうか検討する上で重要な要素です。

1か月あたりの時間外労働時間数80時間が、「過労死ライン」といわれることがあります。しかし、「令和6年度過労死等防止対策白書」記載の令和6年度の統計においては、脳心臓疾患については、発症前2か月間ないし6か月間における1か月平均の時間外労働時間数を評価して支給決定された件数のおよそ25%(4分の1)が、発症前2か月から6か月間の1か月平均の時間外労働時間数が80時間未満でした。また、精神障害については、労働時間を調査したうえで支給決定した件数のおよそ49%(約2分の1)が、時間外労働時間数が80時間未満でした。

このように、実際には、時間外労働時間数が80時間未満でも労災認定されている事例は多数あります。

これらの事例では、労働時間以外の労働者の身体的・心理的負荷となった事情も考慮した上で、認定されている可能性もありますが、このような実態からすると、規制を緩和することは労働者の健康を害する危険性を高めるため、緩和するべきではありません。

弁護士 鈴木 満 

(事務所ニュース・2026年新春号掲載)

<今年の目標> 腹囲減少

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