そして誰もいなくなった

 

鳴き声の主役は、セミから秋の虫へと交代。
小2のころ、コオロギを5匹飼っていた。
毎夜、虫かごのコオロギは何かを訴えるように鳴き出した。
うるさい。眠れない。
少し鳴き声は小さくなった。次の日、また次の日、ますます小さくなった。
数日後、虫かごにはコオロギが3匹、2匹,最後の1匹
死んでいた。仲間を食べ尽くして・・・
そして誰もいなくなった。

水槽でドジョウ2匹を飼っていた。ガラスの蓋を閉めて、机に置き、ただ眺めていた。
何が楽しかったのか。
あるとき、ドジョウの姿が見えなくなった。
2ヶ月後、黒褐色の平べったいものが、机の下から出てきた。
私がかわいがっていたドジョウ。
どうやって地上へ脱出したものか。
水槽の蓋は微動だにしていなかったのに。
そして誰もいなくなった。

事務局 N

 

 

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