あじさいの花が雨に濡れた様子をみると
今年もこの季節が巡ってきたなと少しうれしくもなります。
雨は苦手ですが、
あじさいが雨のしずくを湛えるさまは艶やかな色調で美しく、
憂鬱な気分を払拭してくれます。
そしてまた、蛍が舞い始める時季でもありますね。
「あじさゐの 下葉にすだく 蛍をば 四ひらの数の 添ふかとぞ見る」
小倉百人一首の選者として有名な藤原定家が詠んだ歌。
あじさいの下の葉に集まる蛍が、四枚の花びらに寄り添うかのように見える。
おそらく額あじさいなのでしょう。
実際にはそこに花びらは無いのですが、蛍の様子から有るかのように見紛う、
そんな夜の情景でしょうか。
八百年前の人々と和歌を通して共感できる、
そんな島国の自然や文化を存分に楽しみたいものです。
事務局 荻原