反貧困全国集会2017・設立10周年集会宣言

10月21日、反貧困ネットワーク設立10周年・反貧困全国集会2017「さらば貧困!希望と連帯の社会をめざして」が開催され、全国の反貧困ネットワークからの報告、韓国・イギリスの市民運動の報告、労働・障がい・住宅・女性・生活保護など様々な分野から当事者の方、現場からの発言がありました。
反貧困全国集会2017・設立10周年集会宣言は、次のとおりです。

反貧困全国集会2017・設立10周年集会宣言

「さらば貧困!希望と連帯の社会をめざして」

私たちが「もうガマンできない!」と声を上げてから10年。

この間、非正規雇用の拡大、所得と貯蓄の減少、貧困率の悪化、格差の拡大、相次ぐ餓死・自殺事件、派遣切りの嵐、生活保護バッシング、生活保護・年金の引下げ等の社会保障の削減などが続き、生きづらさは増すばかりです。リーマンショック、東日本大震災と原発事故という社会を大きく揺るがす出来事があり、二度にわたる政権交代、社会運動にも様々な動きがありましたが、私たちは、発足以来、一貫して言い続けています。

それは、今も変わらず、そして今だからこそ、大きな声を上げ続けます。

1 人間を使い回し、使いつぶす、雇用の破壊と、その犠牲を踏み台にして利益を追求することをやめよ。人間をモノ扱いし、命よりもお金や効率を優先するな。

2 社会保障を削るのではなく、人間の命と暮らしを支えるために所得を再分配せよ。

3 貧困が子どもに連鎖し、どこの家に生まれたかで一生が決まり、自分の生き方を自分で決められない、そんな理不尽な社会はイヤだ。

4 ひとりの力ではどうにもならない、生きづらい社会構造があるのに、個人の自己責任を振りかざし、貧困を切り捨てるな。政治と社会の責任を個人に押し付けて、人を追い込むな。

5 貧困問題に取り組まない政治家はいらない。民主主義の歪みが、貧困問題の解決を遠ざけ、政治のウソを放置し、企業の悪行をはばむことさえできないようにしている。私たち自身が未来を決める主人公であり、私たちの意思が正しく反映される民主主義を作り上げよう。

6 すべての人が人間らしい暮らしができる社会、だれもが尊厳をもって生きることができる社会、生存権を守る社会。それが私たちが選択する社会だ。

7 私たちは一人ではない。生きづらさを抱えた者同士の分断の罠には陥らない。小さな違いにこだわらず、敷居を下げ、弱さを認め、弱さの自覚の上に強い絆を作る。それが私たちの運動だ。声を上げ、居場所を作り、仲間を増やし、一人一人がもう一歩を踏み出そう。相互に垣根を越えてつながり、そして、社会を変えよう、政治を変えよう。

私たちが、声を上げて10年。貧困が可視化され、社会問題化し、着実に仲間は増え、全国各地に、分野を超え、立場を超え、そして国境を越えて、つながりは広がっています。さらば貧困!希望と連帯の社会をめざして、私たちは、これからも声を上げ続け、つながりを広げ、行動することを宣言します。

2017年10月21日

反貧困全国集会2017参加者一同

 

(弁護士 猪 股  正)

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