骨太の方針2015に対する声明/公正な税制を求める市民連絡会

公正な税制を求める市民連絡会が、6月30日に閣議決定された骨太の方針2015に対する声明を公表しました。
小泉構造改革のときの年2200億円を大きく上回る社会保障費の削減が断行されようとしています。

経済財政運営と改革の基本方針2015に対する声明

政府は、2015年6月30日、経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる骨太の方針)2015を閣議決定した(以下「骨太の方針2015」という。)。
骨太の方針2015は、歳出改革は聖域なく進め、特に、社会保障は、その重点分野であるとし、社会保障費の伸びを、2018年度までの3年間で、1兆5000億円(年間5000億円)に抑える方針を打ち出した。高齢化による社会保障費の自然増は、年間8000億円から1兆円とされていることから、今後、年間3000億円から5000億円もの社会保障費が削減され、医療、介護、年金、障害、生活保護等幅広い分野で、さらなる給付削減、自己負担増等が進められようとしている。
その一方で、骨太の方針2015は、経済成長に重点を置いた法人税改革として昨年決定された法人税率の大幅引き下げを、できるだけ早期に完了するという方針も打ち出している。
しかし、そもそも、財政は、本来、人の生存を可能にし、その尊厳を守るためにこそ存在するものである(憲法13条、25条)。
日本の貧困率は、現在、過去最悪の水準にまで悪化している。かつて小泉政権下において、社会保障費が毎年2200億円削減され、社会保障給付が縮減されたが、骨太の方針2015の削減額は、それを大きく上回るものであり、貧困と格差の拡大に一層拍車をかけるものであるといわざるを得ない。また、経済成長を優先するあまり、人の生存と尊厳を蔑ろにするのは本末転倒であり、法人税の大幅減税など、大企業や一部の富裕層を優遇する不公正な税制をあらため、必要な税収を確保しつつ、社会保障を充実させなければならない。
担税力に応じた公正な税制と充実した社会保障による所得再分配によって、貧困と格差の拡大を是正し、すべての人が人間らしく生きることができる社会の構築こそが、今、求められており、当連絡会は、その実現に向けて、全力で取り組む。

2015年(平成27年)7月10日
公正な税制を求める市民連絡会
代 表  宇都宮 健 児
同    山 根 香 織
同    菅 井 義 夫
同    雨 宮 処 凛

骨太の方針2015に対する声明

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