憲法のはなし① 憲法って何?

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「連載開始にあたって」

最近、世の中では、憲法改正が話題にのぼっています。戦後、日本の歴史のなかでは、繰り返し憲法を変える動きがありましたが、施行から70年以上経っても、結局1度も変えられていません。

憲法も法律の一種。条文の数はわずか103しかありませんが、どうしてそんな力があるのでしょうか。普段は法律を意識しなくても生活ができているのにいったいなぜ?そう思われる方も多いことでしょう。憲法は、空気のような薄い存在でありながら、世の中で重要な意味を持つ規範なのです。世界で独裁国家や人権抑圧国家といわれ、人々の生活が守られない国家には、やはりそれを許してしまう憲法が存在しています。

現在、自民党政権は、憲法を変えることに精力を注いでいます。その意味をしっかり捉え、国民が意見を言うことが大事です。決して他人まかせにせず、「我がこと」として考えていただきたいと思います。この連載がその一助になれば、と思います。

「『憲法』とは」

どんな国にも憲法はあります。「国家」をつくり、領土と国民を持つ以上、そこにはルールが必要です。
その国家を運営するための最も基本的なルールとしての意味を「憲法」は持っています。
ヨーロッパに市民革命が起こった18世紀以降、世界では、憲法は国家の権限を制限する役割を持つ必要がある、とされるようになりました。

その背景となったのは、「人間は生まれながらにして平等で自由である」という思想です。この思想は、国王との闘いによって勝ち取られてきた歴史を持っています。人の権利は天から与えられたものであって、国王といえども個人の自由や権利を侵すことはできないのです。

国民の自由や権利を保障するために憲法をつくり、時の権力者の横暴を防ぐ役割を「憲法」という国の基本的ルールに負わせることとなったのです。

日本国憲法もこの流れを受け継ぐ憲法だとされています。
次回は、日本国憲法の誕生に迫ります。

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