労災保険給付の請求手続

従業員が労災事故に遭った場合、しっかりした会社であれば、被災者本人に代わって事業主が労災保険の請求手続を代行してくれることが少なくないと思います。
しかし、事業主が手続をしてくれないという場合には、被災者本人(死亡事案の場合には遺族)で請求することができます。

労災保険給付の請求書の用紙は労働基準監督署に備え置かれています。請求書の記入の仕方については、厚生労働省のホームページに各種労災保険給付の請求書の記載例があり、参考になります。

よくわからないという場合には、一度弁護士にご相談ください。

事業主から請求書の証明を拒否されたら?

労災保険給付の請求書には「事業主証明書」の欄があり、災害発生の原因や状況、被災者が受領していた賃金等について事業主に証明をしてもらうことが必要になります。
ところが、事業主がこの証明に協力してくれないということがあります。

その場合には、証明を拒否されてしまった経緯を説明した上申書を添付することにより、事業主証明がなくても、申請を受けつけてもらうことができます。

事業主が労災保険の保険料を納めていなかったら?

事業主が労災保険の加入手続を怠っていたり、保険料を滞納していたという場合であっても、労働者は労災の保険給付を受けることができます。
というのは、労災保険制度は労働者を保護するための仕組みですから、労働者を一人でも雇い入れた事業所は、その日から労災保険関係が成立するとされているためです。

もちろん、この場合、事業主は遡って保険料を納めなければなりませんし、労働者に対する給付額に最高40%を乗じた額を費用徴収されることになります。
しかし、労働者に不利益は生じません。

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