【コラム】埼玉総合で育ち育てられ(弁護士 梶山敏雄)

「今の若い弁護士は皆優秀である」。
私が事務所に入所する数ヶ月前に埼玉総合に在籍することになった故・為成養之助弁護士が良く言っていた言葉です。ご存知の方も少なくなってきたかと思いますが、為成弁護士は戦前に現職裁判官の時に治安維持法違反で逮捕・投獄された経歴がありました。
私は優秀な弁護士の中には入っていませんでしたが、その私は今、同じように事務所の若手弁護士は「本当に皆優秀である」と感じています。

私が弁護士に成り立ての頃は、裁判所に提出する書面はともすると「手書き」で、しかも「縦書き」でした。ワープロが出た時は「ガリ版」時代に育った私には「画期的」なことでありましたが、間もなくパソコンの時代が始まり、ワープロに固執する私に「絶対これからはパソコンだから」と強引に当時若手の齋田弁護士に説得されていなければ今まで弁護士業務は続けてこれなかったと思います。
しかし、そのパソコンソフトも今では若手弁護士のようにはとても使いこなせず、数多くの法律の度重なる大改正、事件内容の多様化などもあり、弁護士業務継続の困難さを思い知らされています。

事務所入所47年目、喜寿を迎える歳になり、社会的意義ある仕事は何も成し遂げることはできなかったことに忸怩たる思いはありますが、一方私がここまで弁護士生活を続けてこれたことは奇跡であるとも思っています。
このような私に付き合ってくれている事務所・依頼者の皆さんに改めて感謝し、もう何年もないと思いますが少しでも弁護士として役に立つ限りは仕事をしたいと思っています。

弁護士 梶山 敏雄
(事務所ニュース・2024年夏号掲載)

喜寿祝いより