【コラム】芝居(弁護士牧野丘)

最近、当事務所員に舞台の芝居を楽しむ人が密かに増えつつあるようです。

私は憲法ミュージカルの上演で舞台の裏側に回った経験を端緒にたくさん見るようになりました。
ちゃんと数えていませんが、だいたい300本くらいでしょうか。芝居の話題が所内で出てくると楽しい気持ちになります。

なぜ好きか。たぶんあのライブ感なのでしょうね。役者さんの吐息まで客席に伝わり空間を共にしている感じ。
長台詞も一発勝負。プロの芝居で台詞が飛んだ現場にも居合わせたことがあり、ストーリー展開とは別の部分での緊張感も味わえたりします。
役者の体全部が目の前にさらけ出される。観客はそのすべてを受け取る。
映画と違って、監督の見せたい部分がアップになるわけではなく、したがって観客は、ある意味画面全体のどこを見てもよいし、逆に自分から奪いに行かなければならない。
案外、観客側のエネルギーも必要な作業なので、仕事帰りの都内の芝居では途中で意識が飛ぶこともしばしば。
その臨場感がよいのでしょうね。そういうこともあってか終わった後の感想も人によって様々。
だから1人で見るより複数で見に行った方が終演後が圧倒的に楽しい。

以前は、芝居を見ることにある種のプロフェッショナル感を求めに行っていたこともあったのですが、もうそれはやめました。
自然体で自分が感じられるものを増やす。無理に意義づけするとしたらそんなことでしょうか。
ぜひご一緒に!

弁護士 牧野 丘

(事務所ニュース・2024年新年号掲載)