ソリダリティー

by staff | 2021年1月4日 8:00 AM

 「夜汽車の中(中略)、真っ暗な窓ガラスにホッペタくっつけてじっと外を見ているとね、遠く灯りがポツンポツン…あー、あんな所にも人が暮らしているか…汽車の汽笛がボーッ、ピーッ(後略)」(寅次郎忘れな草)。
 
 映画、文学、音楽など芸術や文化は、孤独や挫折、苦しさで出口が見えないとき、生きぬく力を支えてくれる。コロナ危機で芸術や文化活動が大打撃を受けているが、ドイツは、芸術や文化は人間の生命維持に必要不可欠であり、新しいものを創造する勇気が危機の克服に役立つとして、フリーランスや芸術家などへの大規模な支援を行った。韓国では、芸術家に対して雇用保険の適用を拡大する法律を制定し12月から施行した。

 コロナ下で政権を承継した日本の首相は施政方針で「自助」を強調した。コロナの死者を25人に抑え世界的に高く評価されているニュージーランドのアーダーン首相の市民へのメッセージは「Kindness」(やさしさ)。

 自助は国家が言うべき言葉ではない。危機にあってはなおさらだ。芸術や文化は、やさしさを醸成し、心を紡ぎ人間が価値を共有していく社会の基盤だ。社会を持続させる最後のチャンスかもしれない今、他者と協力し合えるという人間の最大の強みを自覚し、その力をより強固にし発揮していくときだと思う。

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