埼玉総合法律事務所

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コラム-佐渡島啓弁護士

プレ金(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

今年の4月28日の金曜日、ツイッターでこんなつぶやきが流れたそうです。

プレミアムフライデーって何だよ、俺たちにそんなのねーよ、もともとホワイトな企業がさらに驚きの白さになるだけだろ、アリエールかよ。

プレミアムフライデー、いわゆるプレ金、経産省によれば、個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、ライフスタイルの変革、地域等のコミュニティ強化、デフレ的傾向を変える、といった効果につなげる取り組みだそうです。

というわけで、プレ金は労働政策よりは経済政策に重点がありますし、先のつぶやきが嘆くようにプレ金で早期退社が実施されている職場はごくわずかですが、しかし、長い目で見れば、これは私たちの働き方に変化を与える一つのきっかけになるのではないか、そんな調査結果が日本生産性本部から公表されました。

新入社員を対象とした「働くことの意識」調査において、(1)職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくないという回答が前年比約10%増の30・8%、(2)職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰るという回答も前年比約一〇%増の48・7%で、この五年ほど続いていた新入社員のワークライフバランスに対する意識が高くなる傾向が、今年の調査でより一層顕著となったのです。

プレ金で早く職場を出ても他の日に仕事が積み残って残業になるだけ、そんな冷ややかな先輩社会人の声も、これからの「ゆとり世代」はかき消していく働き方をしていくのではないか、厚労省も導入することにしたプレ金が長時間労働対策の一貫にならないものか、世間では忘れ去られそうなプレ金を私は注目し続けたいと思います。

過労死等対策推進シンポジウム(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

昨年一一月、私も準備に携わった過労死等対策推進シンポの埼玉会場は、一昨年に引き続いて二五〇名を超える参加を得て、大盛況でした。

講師の山本晴義医師からは、「一日決算主義」をキーワードにしたお話がありました。
平日は寝不足、その分週末には寝溜めして、普段やらない運動も無理して頑張って、という週単位の生活ではかえってストレスを抱えてしまい、マンデーブルーに陥ると。
平日でも休日でも変わらず早寝早起きを心がけて、ラジオ体操でもいいから毎日一五分は身体を動かして、三十分は人と対話して、寄る寝るときに「いい一日だった」と思えるようにストレスを日々「決算」するのが大事だと。

過労死・過労自殺を撲滅するためには、国が労働時間規制を適切におこない、また、使用者が労働者の心身の健康に配慮した安全配慮義務を果たすことが必要ですが、それだけでなく、労働者自身も健康的なライフスタイルを確立することが大切です。
山本医師は著書も多数ありますから、ぜひ皆さんも参考にして、「一日決算主義」を試してみてはいかがでしょうか。

相続法が変わる?(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

介護をしたことは相続で反映されるのですか?
相続のご相談でよく受けるご質問です。

被相続人の介護に費やした労力を、相続でどう反映するかは大きな問題です。
寄与分制度で一定の評価をすることにはなっていますが、必ずしも十分ではないというのが多くの方の印象かもしれません。

さらに問題になるのは、非相続人(典型的には「長男の嫁」)が被相続人の介護をおこなってきた場合の解決です。
長男の嫁は相続人ではありませんから、寄与分の主張はできません。
長男の補助者とみて長男の寄与分の中で処理するケースもありますが、長男が死亡していて代襲相続する子もいない場合にはどうするのか、問題が残ります。

この点について、現在検討されている相続法改正の中間試案では、非相続人でも介護に貢献した人は、相続人に対して金銭請求ができるという制度が盛り込まれました。
とても大きな制度変更ですが、介護問題の重要性を示しています。

中間試案ではほかにも、婚姻期間の長い配偶者の法定相続分を増やしたり、遺言制度を改正することなども提案されています。
この夏、法務省が中間試案について意見公募をおこないます。
皆さんもご意見を届けてはいかがでしょうか?

安全配慮義務(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

昨年10月、とある企業内研修会で、安全配慮義務をテーマに講演をしてきました。

安全配慮義務とは、職場における労働者の安全と健康を確保する使用者の義務のことです。
例えば、業務中の転落事故で労働者が怪我をした場合、労災保険による保険金支給のほか、使用者が転落防止措置を十分に備えていなければ、労災保険では支給されない慰謝料等を使用者に直接賠償請求できることがあります。

この安全配慮義務違反は、過労死・過労自殺の事案でも問題になります。
使用者が労働者に長時間労働を課さないなど安全配慮義務を怠らなければ、過労死・過労自殺は根絶できるものです。

私も開催に関わった、昨年12月の過労死等防止対策推進シンポジウム(埼玉会場)は約200名の参加で大盛況でした。
今年も、使用者が安全配慮義務を尽くし、過労死・過労自殺をはじめとする労働災害が発生しない労働環境のために力を注ぎたいと思います。

クレーム対応(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

先日、日本チェーンストア協会からお声がけいただき、難クレームの法的対応等について勉強会の講師を務めてきました。

スーパー等での実際の事例が題材だったのですが、どのようなケースでも、まずは事実関係の確認が初めの一歩になります。
しかし、認知症や精神疾患を抱えている方のクレームの訴えや、食品など対象物が消費されている場合には、事実関係の確認だけで一苦労です。

裁判であれば、被害を訴える側がその被害について具体的に主張立証しなければ、その訴えは簡単には認められません。
しかし、お客様対応の観点からは、なかなかこのようには割り切れません。
そのため、スーパー等の現場の方々は、このような難クレームについて真摯に対応すべく、熱心に学習されていました。

店舗や役所、病院、学校等、ありとあらゆる場面でクレームに関する問題が生じています。これまで私たち弁護士がこのようなクレームに関わるのは、多くが訴訟になってからでした。
しかし、もっと手前の段階で弁護士をご利用いただくことで、より早く、柔軟な解決が見込めることもあります。
私たちも学習を積みたいと思います。

仁川地方弁護士会(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

昨年10月、埼玉弁護士会のメンバー約20名で、会と姉妹提携をしている韓国・仁川地方弁護士会を訪問した。
2泊3日のスケジュールでは、片言の英語と焼酎入りビールの一気飲みで盛大に盛り上がった宴会だけでなく、両国でトピックな法律問題をそれぞれ報告するセミナーもおこなった。

仁川弁護士会からは、今年から韓国で始まった法曹一元の説明を受けた。
これまでは韓国も日本同様に、司法試験合格者は一定期間の研修後に裁判官・検察官・弁護士とそれぞれの道に進んでいたが、これを当初は3年以上、2022年以降は10年以上弁護士等の経験を有することを裁判官の任用条件としたのである。

法曹一元は英米法系の国では古くから採用されている制度であるが、今回韓国で導入された大きな理由には、韓国国民による司法不信があった。
例えば、出世コースをはずれた裁判官が定年よりもはるか前に退官して弁護士に転身するケースが多く、経験豊富な裁判官による裁判を受けられないという事態が生じたり、あるいは、途中退官した元先輩裁判官の弁護士に担当裁判官が事件処理で配慮する慣行があると言われていた。

日本でも10年ほど前には法曹一元が司法改革の一つとして議論されていたが、裁判所等の抵抗が強く、現時点では実現する見通しはない。
しかし、司法に対する国民の不信という不幸がきっかけであったとはいえ、法曹一元という劇的な制度改革を実現した隣国のダイナミックな動きに多少の興奮をおぼえると共に、果たして日本の司法は国民に信頼されているのか、様々なことが頭に浮かびながらの帰国であった。

中央労働時報(一般財団法人労委協会)2013年10月号掲載 「解雇撤回の有効性」

弁護士 佐渡島 啓

地位確認等請求労働審判事件

-使用者が解雇を撤回して、新たな職種への復帰を認めたが、労働者が従前の職務や労働条件と異なる職務に戻すことは解雇の撤回ではなく、新たな雇用契約の誘因に過ぎないとして年休取得により出勤しなかったことの有効性が争われた例
(平成二五年四月三〇日申立、六月一七日第一回期日、七月二二日第二回期日・審判。さいたま地裁平成二五年(労)五七号事件)-

事案の概要

相手方(Y)は、総合警備保障業務をおこなう企業であり、警備員約四〇名、事務職員四名の従業員が在籍していた。申立人(X)は、平成一八年四月にYと期間の定めのない雇用契約を締結し、経理部長として勤務してきた。

ところが、平成二四年五月に従前の代表者を含め経営陣が一新し、外部から新たな代表者が就任した。これをきっかけとして、Xの業務に月次決算資料や資金繰表の作成が加わり、さらに他の従業員が担当していた警備員の管制業務も担うようになったため、労務量の過重性から業務が停滞するようになった。

そこで、平成二四年七月頃、Xは新代表者に対し、警備員の管制業務を担当からはずしてほしいと申し入れたところ、新代表者はXに対し「あなたには任せられない」などと言い、一年契約の嘱託職員とする雇用契約を提示してきた。
Xは、いったんはこれを拒否したものの、新経営陣からの雇用条件の提示を拒否したら旧経営陣からの従業員である自分は解雇されるのではないかと危惧し、やむなく嘱託職員として雇用契約を受け入れた。

その後、Xは経理業務を中心に勤務していたところ、平成二五年三月一四日、Y代表者はXに対し、「今月いっぱいで辞めてもらいたい」と告げてきた。Xはこれを拒否し、同年四月からは有給休暇を取得する旨伝えて出勤しなかったところ、同月四日、Yから「嘱託契約解除のご通知」がXに届いた。

労働審判期日前の交渉

そこでXが代理人(当職)を選任し、X代理人が労働審判を申し立てた。申立の内容は、①地位確認請求等と共に、②旧経営陣時代の土曜出勤に時間外手当が全く支給されていなかったことから、この時間外手当六〇万円弱の請求であった。
そうしたところ、Yは代理人を通じて、平成二五年五月一日付けX代理人宛通知書において、①期間途中の解雇には、Xの業務内容がいい加減であり、何度も注意しても改善がみられないなどの理由があるとしつつ、しかし職場復帰を認めること、ただし、復帰後は警備業務に従事させること、②時間外手当は旧経営陣時代のXの勤務状況なので判断できないなどと通知してきた。これに対し、Xは、従前の経理業務に戻すのでなければ職場復帰はできないと回答した。

審理の経過、期日間の交渉

平成二五年六月一七日に第一回期日がおこなわれた。Yからは、すでに解雇は撤回し、Xの職場復帰を認めているにもかかわらず、Xが出勤しないのであるから、解雇撤回後はXは無断欠勤の状態であるという主張がなされた。

しかし、上記のような経緯も踏まえ、審判体から、解雇は無効であること、Yのいう解雇撤回は、職種や労働条件の違いからして全く新たな雇用契約の誘因であるに過ぎないこと(そうであるから、Xが出勤しないことは無断欠勤ではないこと)、といった心象が開示された。
これを受けて、同月一九日付けY代理人からX代理人に対するファクスで、Xを従前の職種で職場復帰を認めるという連絡があった。Xも職場復帰することには前向きであったが、①バックペイの支払いは確保すること、②解雇は無効であって、この間出勤しなかったことについてXには落ち度がなかったことを職場で確認してもらうこと、③時間外手当も相当程度支払ってもらうこと、という条件があった。
これに対してY代理人は、②については、Xが職場復帰する日の朝礼で、Y代表者が解雇は無効であったことを従業員に説明すること、その場にX代理人が立ち会うことは認めた。しかし、①バックペイについては、全額は認めないという態度を保持し、期日間での和解に向けた調整はつかなかった。

同年七月二二日に第二回期日が開かれたが、Yからは上記審判体の心象に対する反論はなく、調停での解決に向けた話し合いがおこなわれた。Xは、バックペイ全額と請求している時間外手当の約半額である合計九六万円が和解できる下限だとしたのに対し、Yは、バックペイは上記六月一九日までとすることにこだわり、五〇万円~七〇万円の支払いでないと調停に応じないということのようであった。
結局調停は成立せず、最終的には、YがXに九五万円を支払え、という審判がくだされた。

審判後の経過

Xは、ほぼ和解の下限として考えていた金額の審判内容であったことから、これには異議を出さないこととした。これに対し、Yも異議を出さずに九五万円をXに支払うという連絡をY代理人から受けた。
Yが、Xに対する解雇を撤回し、従前の職務に戻ることを認めていることから、審判では地位確認についての判断はなく、本稿作成時点ではXはYの従業員としての地位を有する前提であるが、上記九五万円の支払い時期には、Xの雇用期間が経過することになるため、これにより退職となる見込みである(雇い止めを争うことも検討したが、これはおこなわないつもりでいる。)。

コメント

近時、不当な解雇をおこなった使用者に対し、労働者が交渉や法的手続きをとった段階で、使用者が解雇を撤回し、復職を強要する例がしばしば見られる。本件では、Xが職場復帰も解決の一つとして考えていたが、そうでない場合には、労働者代理人としてその後の対応に苦慮することもある。
しかし、本件審判体が、使用者が形式的には解雇を撤回しても、従前の職務や労働条件と異なる職種に戻すことでは法的には解雇の撤回でなく、新たな雇用契約の誘因に過ぎないこと、またそのような「解雇撤回」後には、労働者が職場復帰をせずとも使用者がバックペイを支払わない根拠にはならないという態度を明確にしたことは、他の事例の参考になると思われる。

埼玉弁護士会副会長に就任して(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

今年四月から、埼玉弁護士会の副会長を務めています。
現在、埼玉弁護士会には七百名弱の弁護士が加入していますが、この中から会長一名、副会長五名で執行部を構成しています。

副会長の主な職務としては、当番制で弁護士会に詰めて市民からの弁護士や弁護士会に対する苦情に対応したり、裁判所や行政機関等と弁護士会との会合に出席をしたり、あるいは、会員が活動している委員会に手分けして参加することなどがあります。
週末には他の弁護士会等との協議会が設定されていることも多く、それぞれの場で出された課題については週一回の執行部会議で対応を検討しています。

弁護士会が取り組まなければならない課題は無数にあります。
新人弁護士を抱える余裕のある事務所が少なくなっている、原発事故による東電への賠償請求が時効にかからないようにどうすべきか、憲法改正問題にはどのように取り組んでいくべきか等々。

ところが、弁護士会の委員会や行事に参加しない弁護士が年々増えています。
埼玉弁護士会の総会には会員の一割程度しか出席がありません。私も副会長に就任する以前のことを振り返れば大きなことは言えないのですが。

しかし、弁護士会は国家から独立し、官公庁等から何ら監督を受けない自治組織です。
だからこそ、弁護士会や各弁護士が自由に必要な課題に取り組み、権力と対峙する態度をとることもできるのです。
このことの尊さと重要さを肝に銘じ、来年三月までの任期を全うしたいと思います。

弁護士 佐渡島 啓のコメントが朝日新聞 2013年3月19日 朝刊に掲載されました。

職場の机 プライバシーは 

職場の机の引き出しを勝手に開けられ、不快だったー。1月11日付「働く」面の「職場のホンネ」で紹介した投稿に、たくさんの反響があった。その多くが「職場の机は会社のもの」という意見。職場でプライバシーはどこまで主張できるのか。

「開けられ不愉快」の投書 「筋違い」の反響多数

「経理の男性から『交通費を引き出しに入れた』と言われ、ぎょっとした。他人の引き出しを勝手に開けないのが、大人のマナーではないか。その下の引き出しには私物を入れていたので、非常に不愉快だった」(兵庫県30代女性)

反響を呼んだのは、こんな投稿だ。

この女性は広告会社の営業職。女性の同僚に相談すると、外出中に引き出しの中のペンを勝手に使われたり、ロッカーを勝手に開けられたりした人もいたという。「机は会社の物だが、私が使っている時点で個人のスペースでもあるはずだ。私物も入れているし、自分の使いやすいように整理してある。私的な領域に土足で踏み込まれた気がした」と話す。

掲載後、これまでに20通を超えるメールや投書が朝日新聞社に寄せられた。

大半が「筆者が怒るのは筋違い」という意見だ。

「机は会社の備品。開けられて当然」「私物はロッカーに入れるべきだ」「会社の机は会社のものと心得るのも大人のマナーだ」「私物を入れさせてもらってるという意識でいて下さい」などという。

投稿した女性と同じ意見の人は少数だった。千葉県の女性(36)は「うちは机どころかロッカーの中もチェックされる。おかしいと思うが、いくら不信感を抱いても、雇用されている側は会社の方針に従うしかない」とメールで送ってくれた。女性はこの会社に10年以上勤務しているが、不満が重なったため、転職を考えているという。

理由なければ侵害に

机の引き出しを勝手に開けられても、働く側は文句を言えないのか。

労働問題にくわしい佐渡島啓弁護士は「正当な理由なく勝手に開けられれば、プライバシー権の侵害を主張できる可能性がある」と指摘する。

佐渡島弁護士によると、私的な領域をみだりに公開されたり追及されたりしない「プライバシー権」は、職場でも一人ひとりに保障されている。職揚の机は会社の所有物だが、ふだん使っている人の私的な領域という側面もある。

このため、場合によってはプライバシー権を主張できる。「引き出しにカギをかけていれば、侵害の度合いがさらに強まる。相手に慰謝料を請求できることもある」という。

書類の出し入れなど、仕事上の用事で引き出しを開けられた場合は、職場のルールがどうなっているかが判断する材料になる。

引き出しを開けることが職場の習慣になっておらず、就業規則などにもそういった行為を認める規定がない場合、プライバシー権の侵害になる可能性があるという。

従業員がプライバシー権を主張できるのは、机の引き出しに限らない。

たとえば、机の上に飾った家族写真は、職場の同僚に見られても問題ない。しかし、机の上に置いていた日記を読まれた場合、表紙の柄や色で明らかに私用と分かる時は、抗議できる。

職場のパソコンから送ったメールを会社側にチェックされた場合は、調査目的や方法を確認するといい。業務上の必要がなかったり、本来監視すべき立場にない人がチェックしたりした時は、プライバシー権の侵害になることがある。

佐渡島弁護士は「私的な領域と感じる範囲は、ひとによって違う。トラブルを避けるためには、それぞれの従業員のプライバシーに十分配慮するべきだ」と指摘する。

(牧内昇平)

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201303180566.html

初接見の思い出(弁護士 佐渡島 啓)

弁護士 佐渡島 啓

確か、埼玉総合法律事務所に入所してまだ一週間経っていなかったと思う。先輩弁護士に走り書きしたメモを渡され、依頼者の関係者が警察に逮捕されたからすぐに行ってきてくれと。幸手警察

場所を確認するために幸手警察のホームページを見てみると、幸手駅から徒歩50分。「徒歩」50分

当然幸手駅からはタクシーで幸手警察署へ。どんな事件だったか、どんな接見をしたのかは、全く記憶がない。が、ともかく無事に接見を終えて幸手警察を出た。タクシーは全く走っていない。電話して呼ぶか、でもまだ初任給ももらってないし、歩くか。地図あるし

歩き始めた頃はまだ夕日があったが、しだいに暮れてくる。周りは田畑ばかり。明かりがもれてくる戸建ても、薄暗い街灯もポツリポツリとしかない。タクシーが通ったら拾おう。しかし、全く通らない。人も歩いていない

明るい建物が見えてきた。あれが幸手駅だな。元気を取り戻して歩いて行ったが…違う…何の建物かもよく分からない

周辺が田畑ばかりで目印のない地図は役に多立たず、もともと迷い気味だったが、正体不明の建物を目指したことで決定的に迷子に。あとは放浪。あっちに歩いてみては、こっちに行ってみる

勘がアテにならないと思い知って一時間半、奇跡的に通りかかったタクシーに乗り込み、ようやく幸手駅に

いろんな失敗を積み重ねての10年、これからもめげずにやっていきたい。