埼玉総合法律事務所

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コラム

「万引き家族」(弁護士 梶山敏雄)

 裁判所での仕事の合間で少し待ち時間があり、久しぶりに映画館に入り「万引き家族」を観ました。高齢者割引もあり、椅子も昔と違って快適な座り心地です。映画は貧困・万引・虐待・年金詐欺・・労災・リストラなど決して軽くない内容ですが、淡々と日本の厳然たる現状が描かれています。
 カンヌ国際映画祭最高賞の受賞に林文科相は「是枝監督を招いて祝意を伝えたい」という考えを示しましたが、是枝監督は「公権力とは潔く距離を保つ」として辞退し、インタビューでは「同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」とも語っています。普通なら日本人が国際的な賞を受賞したら必ず我がことのように賛辞を送るはずの安倍首相は一切無視。
 格好いい潔い是枝監督の姿勢に拍手です。
 「政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」というコメントをどこかで目にしました。
 今度は、嘘をつき、はぐらかし、時間稼ぎをして国民を誤魔化し、逃げ切ろうとしている醜悪な権力者を題材に、スカッとする映画を作ってくれませんかね、是枝さん。
 いずれしても、一家の「母」を偽装していた信代役・安藤サクラの演技には凄い迫力がありました。

(関連記事)
フランス紙が指摘…安倍首相が是枝監督受賞をスルーの理由(2018/06/03日刊ゲンダイ)
カンヌ映画祭最高賞の是枝監督、安倍首相の祝意を辞退(2018年06月11日中央日報)
是枝監督「左右両派!のバトルは終わりにして」 「万引き家族」で巻き起こる議論に提言(2018年06月08日huffpost)

 映画「万引き家族」公式サイト

遠回りくらいがちょうどいい(弁護士 猪股 正)

「学費の負担をかけ何のために大学に…親に迷惑をかけているだけ。世の中に自分がいてもいなくてもあまり変わらないんじゃないか。自分がいる意味、あるのかなと思う。」。スウェーデンで出会った日本の大学2年生の言葉。

先進7か国の国際比較で、自分の力で社会を変えられると考える若者が最も少ない国、将来への希望を持てない若者が最も多い国、日本(内閣府平成25年調査)。若者の投票率は30%台。生まれた家の豊かさで大学まで行けるかが決まる理不尽。厳しい競争を強いられ、勝ち組に入らなければ給与は低いままで、家族を持つことも難しい。失敗したら、やり直しが効かない怖さ。だから、自分とは何か、何のために生きるのか、試行錯誤をしながら、自分の価値を見出すなんて忘れた方がいいかもしれない、今を生きることを踏みにじる国、日本。

苦闘しつつ成人へと移行する若者に、かけがえのない価値があると認め、若者の社会への影響力を大切にし、やり直しができる国、スウェーデン。大学まで学費は無料、大学入学の平均年齢は25歳、高校卒業後、進路を決めるのに2、3年働きながら試行錯誤する。戦禍のボスニア・ヘルツェゴビナから逃れてきた5歳の難民の女の子にも機会が開かれ、成長して27歳で国会議員になれる国。総選挙に合わせ、中学生、高校生も、本物の候補者に投票する模擬選挙を行うなど、民主主義を育て、若者の投票率は80%を超える。民主主義に支えられ、平等を重視する、福祉と連帯の国。

「人は誰でも平等で やり直せるさ 今からだって 歯の浮くような綺麗事だけれど 生まれたからには幸せに 闘ってみるか 遅くはないさ」(斉藤和義「遺伝」より)。

弁護士 猪 股  正

(日弁連人権擁護大会等について)
2018年10月4日(木)、青森で、日弁連の人権擁護大会が開催されます。猪股は、「若者の生きづらさ」をテーマにした第3分科会の実行委員です。人権擁護大会に向けての調査活動のため、2018年6月9日から17日までスウェーデンを訪問しました。上記の記事は、埼玉総合法律事務所事務所ニュース2018年夏号からの転載です。

(関連記事)
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前進の年に(弁護士 鈴木 満)

弁護士 鈴木 満

弁護士になり1年になりました。

昨年1年は理想と違う自分の姿に苦しみながら仕事をしていた気がします。
依頼者の方にも周りの弁護士にも恵まれ、いろんな人に助けられながらなんとか1年乗り切れたという気持ちが強いです。

私の学生時代の友人は、大学を卒業してすぐに企業に勤める人が多く、入社して1年目2年目に入社前に抱いていた理想と違うことに悩んでいる友人もたくさん見てきました。
そういった友人の姿に自分を重ねて、「あぁ、こういう気持ちだったのか」としみじみ感じてしまうこともありました。

しかし、その友人たちも社会人になって早5年以上、今は、仕事もプライベートも充実している人が多い気がします。
そんな今の友人たちの姿を見ると、「いつか自分もこうなれるのだから頑張ろう」と頑張れます。

思い描いていた自分になれるように、今年1年も苦しみながら前進していけたらと思います。

歩く速度(弁護士 南木 ゆう)

弁護士 南木 ゆう

体力だけが取り柄といえるくらい健康な私が、昨年少し病気をして初めて入院(出産以外)しました。
入院中は点滴の管につながれて、トイレとベッドの往復くらいしか歩けなかったので、筋力が衰えたのでしょうか。
退院してまずびっくりしたのは、世の中の人の歩く速度の速さでした。

そうだ!日本人は勤勉だから、きっと世界的に見ても歩く速度が速いのだろうと考え、若干の調査をしたところ、最も歩く速度が速いのはシンガポール、デンマーク(コペンハーゲン)、スペイン(マドリード)の3都市で、意外や意外、日本(東京)は19位でした。

それでは、速く歩くのは良いことなのか?というと、歩く速度が遅い人は、歩く速度が速い人よりも、寿命が短い傾向にあるそうです。
これは、歩くという行為が、心臓、肺、循環器系、神経系、筋・骨格系に多くのことを要求するため、身体を鍛えられるということのようです。

でも、ゆっくり歩いてみると、日々気がつかなかったような四季の移ろい等の変化や、路地裏の可愛い子猫にも気がつくことができ、心にゆとりが生まれるような気がします。
しばらくは、ゆっくり歩いてみようかな。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

今年の目標(弁護士 德永 美之理)

弁護士 德永 美之理

今年の目標は、無駄なことを減らすことです。

ものを捨てるとほんとうに必要なものがみえてくると聞き、年末になる前に大掃除をしました。
不必要なものは案外あるもので、大量のものを捨てたり譲ったりして、家中すっきりきれいになりました。
夫の多大な協力もあり、我が家の片付いた状態はいまだキープされていますが、目下の問題は事務所の机です。

諸先輩方には劣りますが、私の机も記録がうず高く積まれ、資料が自席の隣の机まで占領しています。
忙しくなると、気持ちを反映してか、整理整頓も身だしなみもついつい怠ってしまいます。

今年は、時間に余裕を持ち、整理整頓された空間、こぎれいな身だしなみを保とうと思います。
時間に余裕ができたら、例年以上に旅行に出かけたいと思います。
行ってみたい国や場所はたくさんあります。
食べたいものもたくさんありますが、減量(数年来の試みです。)との兼ね合いで悩ましいところです。

ブラックバイト問題を高校生に伝える(弁護士 鴨田 譲)

弁護士 鴨田 譲

前回の事務所ニュースに続き、高校生への講演の話です。
いま社会問題となっている「ブラック企業・ブラックバイト」について高校3年生の学年集会で話をしてもらいたいという依頼を頂いたので、講演をしてきました。

「話が長い、難しい、眠い」などの以前の高校生からの指摘を踏まえて、今回は「ブラック企業・ブラックバイト○×クイズ」を作り、最初にクイズ11問について生徒全員に○か×か手をあげてもらう形式にしました。

クイズの内容は、会社やバイトを辞めるのは自由であること、バイトであっても有給休暇の申請ができること、最低賃金より低い時給は認められないこと、サービス残業は全て違法であること、働き始める際には労働条件を記載した書類が発行されなければならないことなどです。

そして、このクイズの最大のポイントは11問全て正解が○という点です。
問題が11問あれば、全て○や全て×といった偏った答えにはならないだろうと考えるのが普通でしょうし、生徒のみなさんもそのように考えていた方が多いようでした。

しかし、「これまでの学生生活と違い、社会に出るとこういう意地悪をする人もいる」ということを生徒のみなさんに伝えたかったというのがこのクイズのオチです。

父との思い出(弁護士 古城 英俊)

弁護士 古城 英俊

先日、高校の同級生と集まる機会があり、20年以上ぶりに会う友人もいました。
みんなそれなりに年をとりましたが、各方面で活躍していて、とても励みになり、普段は味わえない楽しいひとときを過ごしました。
自分の子どもが大人になったとき、自分のことをどういう記憶として思い出してくれるのだろうか、ということを考えている友人から、
「父親にしてもらったことで覚えていることは何か」という質問が出ました。みんなの答えは、キャッチボール、サッカーなどなど。

そういえば、父との思い出は何かな、といろいろ思い返しました。
一番に思い出したのは、中学生の頃、河原で100メートル走のタイムを一緒に計ったことでした。
久しぶりに父との思い出を振り返ってみると、仕事で忙しい中、勉強を教えてくれたり、釣りに連れて行ってくれたり、部活の試合を応援に来てくれたり…

私の父は私が21歳のときに他界しましたが、生きていたら、今年の元日で79歳です。正月には、父のことを思い出します。
私の息子もまだ小さいですが、大きくなって、私のことを思い出すとき、どういう父親として思い出すのだろう…。

今年一年、仕事も家庭も一生懸命に頑張りたいと思います。

家族信託とホームロイヤー(弁護士 月岡 朗)

弁護士  月岡 朗

私たちは、いつか、認知症や体が不自由になることにより、自分の財産を管理できなくなる可能性があります。
いつか来るその時に、誰が、私たちの生活を守ってくれるのでしょうか。

このような問題の解決方法として、最近、家族信託、ホームロイヤー制度が普及してきています。
これまでは成年後見制度が高齢者の財産管理の議論の中心でしたが、
成年後見制度では、見知らぬ専門職(弁護士、社会福祉士、司法書士)が高齢者の財産管理を引き受けることがあります。

本来、弁護士等に財産管理をゆだねる前に、弁護士等と信頼関係を築いて、信頼できる弁護士等に財産管理をしてもらいたいというのが自然でしょう。
また、自分の希望や生活状況を十分に分かってくれた上で、希望に沿った財産管理の方法が望ましいと思います。

ホームロイヤーや家族信託を活用することで、弁護士と信頼関係を築いてから、信頼できる弁護士に財産管理を依頼することや、信頼できる親族に財産管理を任せることも可能です。
また、ご自身の希望や経済状況、生活状況に沿った財産管理が実現できます。
近時、ホームロイヤーや家族信託制度の活用事例は増えており、今後、より高齢者が安心でき、高齢者の希望に沿う、ホームロイヤーや家族信託が求められることになると思います。

ちゃんと走れメロス(弁護士 竹内 和正)

弁護士 竹内 和正

竹内も激怒していた。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意したわけではない。
ただ、もう絶対来年はマラソンを走らないぞと決意していた。健康のためにはじめたマラソンだ。
でも、走るたびに思う。フルマラソンは不健康だ。(「走れメロス」より準用)

激怒していたとき、僕はだいたい、35キロ地点にいました。
それまで淡々と走り続けていましたが「なんだか、疲れちゃったし、もう歩いちゃおうかな。別に、ゴールに、セリヌンティウスが待っているわけでもないし。」と思っていました。

しかし、昨年は仕事が忙しく、なかなか時間が取れないながらも練習は続けていたので、
不完全燃焼で終わらせてしまうのは嫌だなと思いました。
そこで、「せめて、目標タイムを切ってゴールしよう。そして、目標を達成できたら、笑顔でマラソンも終わりにしよう。」と考えました。
わずか2年間のマラソン人生に終止符を打つべく、そこから、僕は、道行く人を押しのけ、はねとばし、黒い風のように、犬を蹴とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走りました(準用)。

そして、結果、ネットタイム(自分がスタートラインを越えてからゴールするまでの記録)では目標を達成し、
公式記録(号砲がなってからゴールするまでの記録)では、目標を達成できませんでした。
・・・これは、どうしたらよいでしょう。マラソンを辞めてもよいものか。
メロスがゴールしたのも、あの感じだと、公式記録ではなく、ネット記録という理解でよいでしょうか。

スイッチオン(弁護士 谷川 生子)

弁護士 谷川 生子

好きな言葉は、と尋ねられ、数年前のネパール旅行を思い出しました。
閉塞感で一杯になり、突如旅に出たのですが、ちょうど里帰りしていた知り合いのネパール人に、現地の様々な名所を連れ回してもらいました。
ネパールが大地震に見舞われる前のことです。

ここからエベレスト山頂が見えるよ、と言われて目をこらしましたが、なかなか探せず、
あれだよ、と指さされたのは目線の遙か上方でした。
人を寄せ付けない、孤高の存在に、ただ畏怖のような気持を抱いたことを憶えています。

さて「Don’t worry,be happy!」というのは私が旅の間中、同行のネパール人からかけられていた言葉です(鬱と思われたのでしょうか)。
特に現地で流行っていたわけでもない、挨拶代わりの言葉かもしれませんが、
繰り返し言われると、不思議とリラックスできるような、本来の自分を取り戻せるような気持になったものです。

まさか相談者に「クヨクヨしないで楽しんで!」と言うわけにはいきませんが、
思考停止しそうになったときには、いつしか頭の中で唱えています。
皆さんにもスイッチオンの秘密の言葉がありますか?

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