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公募の市民が演じたミュージカル「キジムナー」(弁護士 牧野 丘)

公募の市民が演じたミュージカル「キジムナー」(弁護士 牧野 丘)

弁護士 牧野 丘

この5月、埼玉会館と立川RISURUホールで計4公演行われたミュージカル「キジムナー」は、各回とも満員の約4400名のお客様にご覧いただきました。
埼玉では15年ぶりの再興。11作目でした。ご覧いただいた皆さま、ご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。心より感謝申しあげます。

作品のクオリティについても高い評価をいただくことができました。
私たちの作品は、エンターテイメントであることに向き合っています。エンターテイメントとして評価していただくためには、ただダンスや歌のレベルを上げるだけではいけません。脚本や音楽の中の深い部分に、いかに表現したい事柄や理念を深く練り込むかがまず問われ、心に刺すような演出が求められ、それをキャストたちがいかに感じ取り、ハイレベルに表現するかが大事です。
お客様にそれが伝わると、今度はお客様がそれを舞台の上のキャストたちに熱いオーラで返してくれます。そんな循環が繰り広げられると、舞台という創作に関われて本当に良かった、と心底思います。

今回の舞台は、沖縄。主に戦時中の沖縄戦です。戦争末期、沖縄に東洋一の飛行場を建設する計画がなければ、3ヶ月余りの間に20万人もの人々が亡くなる地獄にはなりませんでした。本土決戦までの時間を稼げという本土からの命令が住民を巻き込む惨事をもたらしました。私たちのミュージカルでは、「護憲」の言葉はおろか「憲法」という言葉も出てきません。
しかし、おそらく明治憲法の視線からは、沖縄戦を別の描き方をすることでしょう。日本国憲法の徹底した平和主義、個人の尊厳の尊重の背景には人間の存在についての深い哲学的な洞察があります。
そんな理念をこの芝居を通じて感じ取っていただければ、私たちの作品は完成です。

今回の再興のきっかけはかつての出演者たちですし、日々の運営は多くの市民のあり得ないくらいの献身さと寛容さによって営まれました。

憲法を護ろうと決めていない人と一緒になって、世の中に種をまく仕事として生命力を持ち続けると、本当に意義深いものになるのではないでしょうか。

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