アスベスト被害の賠償制度について(弁護士 竹内 和正)

弁護士 竹内 和正

平成26年10月9日の最高裁判決を受けて、国は、アスベスト工場等の元労働者の健康被害に対し、一定の要件を満たせば裁判上の和解をした上で賠償金を支払う制度を創設しました。

しかし、この制度に基づいて請求をしたのは、全国でも約150人程度の被害者にとどまっています(平成29年6月現在)。
僕が事務局長を務める埼玉のアスベスト弁護団でも、これまで17名の被害者についてしか請求ができていません。

では、なぜ、請求が少ないのか。

答えは簡単、この制度の存在が一般に知られていないからです。

これまで、被害者やその遺族、支援団体は、繰り返し国に対し、各被害者に手紙を送って制度の存在を周知するように求めてきました。

そして、ようやく、本当にようやくですが、国も、個別の連絡をする準備を始めました。

今後、制度の対象となる可能性のある方に、国から手紙が届くことになります。
また、すべての対象者に連絡することは困難なことから、手紙が届かなくとも、制度の対象となる方はいます。

手紙が届いた場合のみならず、体調が悪化してアスベストが原因と疑われる場合等、「もしかしてアスベスト被害?」と思った場合には、ぜひご相談ください。
アスベスト被害の賠償は、命、健康に対する賠償であり当然受けるべきものです。

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