公正な税制を求める市民連絡会・12.11集会宣言

公正な税制を求める市民連絡会(共同代表:宇都宮健児、山根香織、菅井義夫、雨宮処凛)の12月11日の集会宣言をご紹介します。
消費税と軽減税率については、「所得税の累進性が低下し、所得再分配が脆弱な現状のまま、消費税を増税することは、消費税の逆進性の弊害を強めるものであって、貧困と格差の是正にとって有害であり、軽減税率の導入は、弥縫策にすぎない。」としています。

「誰もが安心して暮らせる社会保障を実現しよう!」集会宣言

政府は、2015年度政府予算において、社会保障費を3900億円削減した。本年6月には、いわゆる骨太の方針2015を閣議決定し、歳出改革は聖域なく進め、特に、社会保障は、その重点分野であるとし、今後、年間3000億円から5000億円もの社会保障費を削減し、医療、介護、年金、障害、生活保護等幅広い分野で、さらなる給付削減、自己負担増等を進めようとしている。その一方で、防衛費を3年連続で増加させ実質5兆円超の過去最高額とし、また、消費税の増税を進めつつ財界の要求どおり法人税率の一層の引下げを進めようとしている。
しかし、貧困と格差が拡大している今日、社会保障の削減を進めることは、貧困と格差の拡大に拍車をかけ人々の生活破壊を深刻化させることは明らかだ。また、社会保障財源がないことを強調しながら、法人税を減税しつつ同時に消費税の増税を進めることは、消費税増税分を法人税減税の穴埋めにあてることにもなり不合理である。所得税の累進性が低下し、所得再分配が脆弱な現状のまま、消費税を増税することは、消費税の逆進性の弊害を強めるものであって、貧困と格差の是正にとって有害であり、軽減税率の導入は、弥縫策にすぎない。
そもそも、財政や税制は、戦争や経済の発展、一部の大企業等を潤すためのものではない。社会が直面している共同の困難に対処し、すべての人が人間らしく生きることを支えるためにこそ、存在するものであって、憲法13条の幸福追求権や憲法25条の生存権の価値を実現するものでなければならない。財源がないとして、憲法の価値の実現を二の次にすることは本末転倒である。
人々の人間らしい生活を支え、貧困と格差の拡大を是正するため、社会保障の削減を止め、税と社会保障が所得再分配機能を果たしていない現状を変革する取組を進めなければならない。
本日の公正な税制を求める市民連絡会の2015年提言を変革の第一歩とし、今後、社会保障の各分野において誰もが安心して暮らせる社会保障を実現する取組を進めつつ、すべての人の人間らしい生を支える財政を実現するため、幅広く連携し、不断の努力をしていくことを宣言する。

2015年(平成27年)12月11日
緊急集会「誰もが安心して暮らせる社会保障を実現しよう」
 参加者一同

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